野比玉子の魅力

8時に起きた。思ったよりも早かった。
寒かったが、外の気温は低くないようだ。部屋が寒いのか。

午前中、漫然とインターネットを見て過ごし、昼にコンビニへ行き、どん兵衛の掻き揚げうどんを買って来て食べる。

正月休みの間に、したいことはしてしまった。
今日は予定がない。
ならば、寝正月の「寝る」部分を満たすか。

などと思ったわけではないが、3時過ぎにウイスキーをストレートで少し飲んで、7時まで昼寝した。

起きて、ウェルシアへ買い物に行き、サラダとチョリソーなど買う。
チョリソー、サラダ、キムチ、冷や奴で夕飯。

風呂に入り、ハイボールを作って飲みながら、読書をする。
「ドラえもん」だ。

1巻から15巻まで読んだ。
大変面白かった。

「ドラえもん」を初めて読んだのは6歳の時で、小学校にあがる少し前だった。
単行本は小学館の「小学一年生」シリーズに掲載された作品のアンソロジーで、6歳児には難しいものもあったが、わかるものもあった。
そのバランスが絶妙で、あっという間に虜になった。
以来、小学4年生になるまでは、新しい単行本が出ると必ず読んでいた。

あまり熱心に読まなくなったのは5年生の頃からだ。
興味の対象が広がった。
アイドル雑誌の「明星」を読むと、まだ至らぬ思春期の世界が広がっていたし。
AMのラジオ放送や歌番組の楽しさも知った。
立ち読みする漫画雑誌もコロコロコミックから少年サンデーに変わった。
他にも、映画とか、ラジコンとか、カメラとか、コンピューターとか、知りたいことがどんどん増えて、ドラえもんどころじゃなくなった。

とはいえ、「ドラえもん」が漫画への扉を開いてくれたのは間違いない。

1巻から15巻をすべて小学生の頃に持っていたわけではないが、すべて読んでいた。
近所にニコニコ堂という本屋があり、そこで立ち読みをしたのだ。
店長のじじいがうるさくて、立ち読みをしていると怒鳴りつけられた。
店番の兄ちゃんがいる時をねらったものだった。

大人になった今の方が楽しめる話がいくつかあった。
Yロウ、ネコシャクシビールス、地球セット、ミニ国会、人間製造器など。

Yロウは、いつ掲載されたのかわからないが、ひょっとするとロッキード事件で田中総理が辞職した頃かもしれない。
そんなこと、小学生のオレにはわからなかった。
ミニ国会は、爆発する時の擬音が「カイサン!」というのがおかしい。
地球セット、人間製造器は、地学と生物学の勉強になる。

藤子・F・不二雄の素養としてなのか、生物学や地学の勉強になる話が多かった。
長編になると、西部劇の手法を取り入れた演出も多かった。
のび太が、射撃とあやとりが得意という設定が生きるのだ。

のび太が未来に行って、酔っ払った自分と会う話も良かった。
ゆっくりだけど、ちょっとずつ頑張って、マシになっている大人ののび太は、偉いなと思ってしまった。

それから、しずかちゃんは案外、性格描写がされていなかったのだなと思った。

あと、子供の頃にはまったく気づかなかった点が一つある。

のび太のママ。
野比玉子。
いい女じゃね?

最近のアニメ版では、メガネを外すと美人キャラとして描かれている。
そんな設定なしでも、しっかりした嫁で母で、大したものだ。
玉子を主人公にした話が少ないのが残念だ。

「いい大人のクセに漫画ばかり読むんじゃありません!」
などと、玉子に叱られたいなあと思いながら、2時就寝。