台風、投票、稽古最終日

朝、外は大雨だった。
自分の衣装がまだ決まっていない。
あれこれ鏡の前で試し、画像を亜企ちゃんに送り、これでいけるかなというものに決めた。

昼過ぎ。選挙の投票へ。
台風が重なっているから、投票率に影響するだろう。
政治について思うことは山ほどあれど、自分が確実にできることは投票なので、投票に行く。
行かない人の大部分が口にして言えない「面倒くささ」について、心理学的アプローチがされた記事が読みたい。
言ってはいけない空気があり、別の言葉に代えたり、他人の論理に乗っかって正当化したりする人は多いはずだ。オレだって行為そのものは面倒くさいもの。
面倒くさいと思わせるものは、政治のあり方と関係ない。むしろ、面倒くさいまま放っておかれている現状こそ、政治的だ。

いつの世にも政治に興味のない人間はいた。むしろ民主主義以前の時代今よりも多かったはずだ。民主主義が、天から振ってきたものではなく、戦いの末に得たものであるという実感が失われ、生まれたときからあるものになっている。まるで公共サービスのように。

投票率が50パーセントを切って、いいわけはない。が、無関心と決めつけるのもどうか。政治の、どこをどう見ればいいのかわからなくなっている現状も、面倒くささに拍車をかけているのではないか。問題が多すぎ、政策が多すぎ、権力闘争に加担している気にさせられる。権力闘争は政治と不可分であるにしても、今は闘争すら、どこかふにゃっとしている。

投票を済ませてから地下鉄で荻窪へ。「丸信」でメンマラーメンと餃子を食べる。

バスで四宮の稽古場へ。1時間以上早く着いた。濡れた裾を乾かす。ナベさん、3時半過ぎに来る。
4時から稽古。抜きを1時間やってから最後の通し。7時半終了。パズルのピースは揃ったが、ハマリ具合が所々緩い。特に後半。あと三日でどこまで締められるのか。
台風のため稽古場打ち上げはなしにしてその場で解散。田中さんが搬入トラックを運転してくる予定で、積み込みのために待機する。その間、木原くんとすみれの質問を聞く。
すみれの役は自分探し病になって役割交換を拒否し、本当の自分を見つけるためによその国へ旅立つ女。
「自分探し病」「役割交換」「よその国」すべてメタファーだけど、演じる時にそれがメタファーであるということは足しにならない。本当のこととしてやらなきゃいけない。というより役者は存在がメタファーそのものなんじゃないのか。
木原くん、色々やってみたいが普通に戻してみたいとのこと。劇中劇を演じるところで、細かい動きをせずにやるということ。稽古参加して間もないので、すでに作られている集団に存在を馴染ませるのに苦労している。馴染ませるには時間がいるが、その時間がないというジレンマ。

8時過ぎに田中さん到着。積み込みをしてから稽古場を締める。知恵、兜森くんと上井草へ。知恵から消え物のことを相談され、こうするとどうかなどと話していたら、曲がるべき道を間違える。
雨は普通の降り方だった。バスで荻窪。地下鉄で新高円寺。歩いて帰宅。パンフレット作りは明日に回し、案をあれこれ考える。