夏になると飲みたくなる

起きると外は明るかった。曇りであることはわかった。
「アレクサ、今何時?」
「午前7時50分です」

朝飯に半合の米で粥を炊く。いつもはこれにカップ4杯の水を足し、1時間弱火にかける。今日は時間がないので水を半分にした。少し重めの粥になった。納豆、茄子のぬか漬けと一緒に食べた。茄子は昨日味見したものよりも漬かっていたが、それでも中心部はまだ生っぽかった。

午前中、ルーティンワークを少しやる。

昼、コンビニ弁当を食べた。コンビニ弁当を自分で買って食べるなんて滅多にない。前回は、昼間っから酔っ払ってセブンのコンビニ弁当を買って食べた。たぶん一年以上前だ。昼間から酔っ払うなんて、一体何があったんだと思うが、覚えていない。なにか辛いことがあったなら言えよ、話聞くぜ。

夕方、自転車を新宿駅そばに止め、五反田へ。オギノ、コースケ、ウハ君、マミと飲む。
オギノ君たち、先に五反田に着いていたので、この店いいんじゃねメッセージを送っておいた。「ビートル」という店。行ってみると、典型的なリーマン居酒屋だった。

メタルフレームの眼鏡をかけ、サイドを短く刈り上げた恰幅のいい店員が気さくに対応してくれた。オギノ君はその店員とタメ口トークを楽しみながら酔いを深め、顔を紫色に染めていた。

夏になるとビールが飲みたくなる。すると自動的にオギノ君の顔が浮かび、「飲まない?」と連絡することになる。夏以外に飲むこともあるが、夏が多い。過去、どうであったかを、この失格ブログを検索して調べてみた。夏にオギノ君と飲んだのは、2007年2008年2009年…

「…20014年、2016年、2018年!」
「よく覚えてますね」コースケが言った。
「日記つけてるから」
「オレも日記つけようかな」とウハ君。「昔、ドカさんにオレのこと書かれたんですよ。覚えてます?」
何書かれたのかと、オギノ&コースケに聞かれたウハ君は続けた。

「オレが、漫画の『孔雀王』みたいなエロが好きだって話をしたら、ドカさん、日記に、ウハは美少女が触手に犯されるエロが好きだって書いたの。翌日オレ、みんなに言われたよ。オマエ、触手好きなのかって」

あったなあ。2002年頃の話だ。でもその前にウハ君は、自分のことを日記に書いてくれって言ってたのだ。
だからといって、人のエロ嗜好のディテールを書くこたあないのだが。ただその時は『孔雀王』というタイトルが出てきたのがすごくおかしかったのだ。あれは無意味にエロかったなあと思ったりしつつ。

マミは都内から引っ越し、現在はまた埼玉に住んでいるという。以前住んでいたあたりだ。猫を飼いやすいだろう。

コースケは、酒で大失態を犯したという。飲み過ぎて記憶がおぼろになり、気がついたらものすごく散財していたという話。昔のことだと思って聞いていたら最近のことだというのでびっくりした。奥さんのまなじりがつり上がる様子が目に浮かんだ。
彼の飲み過ぎエピソードは枚挙に暇がないが、ウハ君から聞いたエピソードには驚いた。
「いまだに覚えているんですけど、こいつ新宿でベロベロに酔って、カップルに、お前ら早くXXに行けよって声かけて、で、男が怒って」
「そりゃ怒るでしょ」
「ええ、そしたらこいつ、ほっぺたを男に向けて、殴ってください、って」
爆笑の後、コースケが訂正する。
「違う違う、殴ればいいじゃん、って自分から頬出したんですよ」
ウハ君が続ける。
「そしたら、男がコースケ殴って、で、オレがすっと間に入って、一回殴ったからもういいですよねって言ったんです」

オギノ君はセンムーからシャッチョさんになった。色黒になったように見えたのはゴルフ焼けだろうか。
事業拡大のため、数十億の金を動かし、意気盛んだった。

コースケとウハ君は9時過ぎに帰った。残ったオギノ、マミと三人で少し飲み直した。1時間ちょっと、しっとりとした話をする。

11時に店を出る。オギノ君は、行きつけのワインバーにお土産のスイーツを持っていくと言って、八ツ山方面に歩いて行った。「?」という顔をして小指を立ててみたが、彼は首を横に振った。ほんとか?

マミと新宿まで一緒に帰る。最近の生活のことや、深いことを聞く。最近頑張っているあることについては、大変、としか思えず、言葉をはさむことはできなかった。先日、潮田くんと飲んだ時、マミと二人芝居やったらどうかと言われたことを思いだし、「離婚した夫婦の話なんだけどさあ」とプロットを話した。既視感があった。昔はそうやってプロットを話すことで、色んな人を巻き込んできたものよなあと思い出した。

新宿から自転車で帰宅。走り始めてから雨が降り出し、家に着いた時にはびしょ濡れになっていぇ。シャワーを浴び、スマホで「青春の殺人者」の動画を少し見る。
1時半就寝。