きゃほゾーンへの恐れ

4時起き。外は暗い。

昨年秋から毎週釣りに行っているが、9月から11月にかけて早朝の釣りはあまりしなかったので、その時期の朝まずめが何時頃なのかを体感することはできなかった。

もっとも、昨年秋のオレはキャスティングがド下手で、10回に1回くらいしか狙ったところに飛ばせなかった。リトリーブ速度は不安定で、ルアーはテキトーに買った格安バイブをその日の気分で選んで投げていた。まずめを狙っても釣れなかっただろう。

それ以前、もっとも頻繁に釣りをしていた2018年秋も、キャスティング能力的については同様だったが、持っているルアーが少なかったため、かえって狙いを絞ることができていたのか、9月と10月にそれぞれバイトを経験し、11月には運良くシーバスを釣ることができた。しかし、この時期も早朝の釣りは少なく、行くのは土曜日や日曜日の午後が多かった。釣れる秋なのに釣れない時間を狙ってわざわざ行っていたわけである。

今年のオレは違うぜ鈴木!

と、啖呵の一つも切りたいところだが、2022年8月現在、全然下手である。今年も釣れなかったらどうしようと、来る秋を恐れている。投げてはルアーを木に引っ掛け、慌てて外して投げては高切れしてルアーだけ飛んでいき、リーダーを結び直してまた投げては一発で根掛かりし、外そうと奮闘しロッドをしゃくり、結局ルアーを失い、しゃくったせいで竿の先端が折れ、わずか20分で10000円近く損をしたことに呆然としていると、50メートル離れた隣の若者たちがフラフープするついでに釣りをしていて、「きゃっほー!」と奇声をあげながらシーバスをバコバコ釣っていたらどうしよう。うひょゾーンに続いて、きゃほゾーンの誕生だ、などと落ち着いていられるだろうか? 自信がない。

発狂する自信ならある。「きゃっほー!」と叫ぶ若者たちに「うっきゃー!」と叫びながら、斧か鉈、あるいはハンマーかバールを持って襲いかかってしまうかもしれない。

せっかく早起きしたのに、そんなことを考えながらぐずぐずしていた。

せめて家事をちゃんとやろうと思い、洗い物などしていると、精神的な活発さが少し戻ってきた。そのままの勢いで朝飯を作った。

朝飯に、ご飯、焼き肉、きゅうりのぬか漬け、豆腐の味噌汁を食べた。

午前中、ヒマ。

昼、『栄記』でもやしラーメン。

午後、タイガーさんが話しかけてきた。オレがいつもしているガーミンの時計についての質問だった。ロードバイクに乗っているので、GPSでナビをしてくれる時計が欲しいらしい。ガーミンはナビもできるが地図を見るには画面サイズの関係上スマホになると伝える。

他愛のない話をしているのに、自分の声がどんどん、石坂浩二とビートたけしを従える大橋巨泉みたいな『ドヤ声』になっていくのに気がついた。

しゃべり終えてから反省した。これじゃいかん。いい声を出すようにしないといけない。はっぱふみふみ、ウッシッシの方向は、ちょっと違う。

夕方、中野駅に着いた時、雨が降っていたので、バスで帰宅。

夕食に、キャベツサラダ、力士味噌、焼き肉ともやし炒め。

先月、ドラッグストアでなぜか安く売っていた大豆で、手作り味噌を仕込んだ。いつも冬と梅雨に仕込んでいるが、前回の梅雨に仕込んだ味噌は豆バージョンときな粉バージョンがあり、すぐには使い切れなさそうだったので、今年の梅雨に仕込むのはやめ、二カ月遅れの今日仕込んだというわけ。

一昨年の仕込みから大豆をミキサーでつぶすようにしたため、食感は滑らかになったが、乾燥麹のつぶつぶが目立つようになり、味噌汁を作った時など、椀に飯粒が浮かんだみたいになってしまう。味は問題ないが、見た目が良くない。

これを解消するため、今回は乾燥麹をお湯でふやかし、すり鉢で摺ってみることにした、

豆を圧力鍋で煮ている間、600グラムの麹に600mlのお湯を足した。混ぜてからしばらく放置し、豆を煮終わってから圧力が抜けるのを待つ間、麹を少しずつすり鉢に移して摺った。うまいことつぶれてくれた。

しかし、お湯を足したために全体のかさが多くなってしまった。塩の量は味噌全体の12.5パーセントになるよう計算したが、足したお湯の量を計算に入れなかった。で、豆を潰す時、3分の1くらいの大豆は煮汁を足さずすり鉢で摺り、煮汁ありのミキサー分を減らして調整したが、仕込み容器に詰めるとき、味噌玉が緩いなあと感じた。

でも、去年の6月仕込みの味噌はオールミキサーで大豆を潰して作り、たまりが多めに出たためかカビも少なかった。その味噌を現在食べており、特に問題ばかりないから、多分今回も大丈夫だろう。

冷蔵庫に入れていたトマトは、食べきれない分を冷凍したが、しなびたり傷んだりしたものが80個くらいあり、それらは廃棄することにした。残念。

水耕栽培トマトは先週旅行に行っている間にかなり枯れが進行してしまった。水が減り水温が上がり酸素濃度が低下し、硫化水素が発生してしまったかもしれない。朝、ぐるりと周りを歩いて確認してみたが、青々と葉が繁っている部分でも、根元の茎に枯れが進行していたから、いずれ追いつかれるはずだ。根に近いあたりに新しい脇芽が生えてくる気配もない。こりゃ、今年のトマトは終わりかなと思った。いちおうしばらく様子を見るつもりだが、早ければ今月半ばには見切りをつけるかもしれない。

1時過ぎ就寝。