昨日買ったジャージを昨夜から部屋着のごとく着る。いつでも走れるようにだが、単純に着心地が良い。
朝、お粥と赤かぶときゃらぶき。
昼、『美晴食堂』へ行き、カツ丼大盛りを食べ、『和すずくら』で、おにぎりとゆず饅頭を買い、図書館で本を返却して帰宅。
夕方、Yahoo!ニュースで中山美穂死去を知る。54歳。さすがに驚いた。
6時過ぎ、走りに行く。五日市街道を往復6キロ。1キロをゆっくり走り、1キロを5分台前半で走った。
夜、おにぎりを食べ、明日の予定を立てる。夜8時頃までに愛野のホテルにチェックインすればいいので、それまでの移動時間と、どこで何を食べるかの調べ物。
『メイキング・オブ・ダブル・ファンタジー』読了。ジョン・レノンの生前最後のアルバム『ダブル・ファンタジー』レコーディングに関わったミュージシャン他関係者へのインタビューを、時系列にまとめたもの。
『ダブル・ファンタジー』を初めて聞いたのは高校生の時で、ジョン・レノンはもう亡くなっていた。毎週、レンタル店でソロアルバムを一枚ずつ順番に借りてテープに録音し、『ダブル・ファンタジー』が最後になった。『ミルク・アンド・ハニー』はのちに借りたが、当時は勘定に入れていなかった。
聞く前は、すべてジョン・レノンが歌うのだろうと思っていた。しかし、1曲目「スターティング・オーバー」が終わり、2曲目「キス・キス・キス」が流れた時に、あれ? ヨーコさんの声だ? と思った。
そして、曲の終わり頃に、ボリュームを下げた。ヤバイ! と思った。
通っていた高校に定時制があり、中学時代の友達Tくんがそこに通っていた。彼とは、下駄箱を通して音楽テープの貸し借りをよくしていた。で、録音したジョン・レノンのソロアルバムのテープも、順番に彼に貸していた。代わりに何を借りていたのかは、なぜか思いだせない。
Tくんはプリンスが好きだった。プリンスといえば、セクシャルなテーマを扱うことが多かったので、16歳くらいの自分にとっては、ドキドキさせられる存在であった。
『ダブル・ファンタジー』を貸す時に、2曲目の「キス・キス・キス」について心配になったが、Tくんはプリンスを聞いているから大丈夫だろうと思った。しかし、テープを返してもらう時、Tくんはメモに、「あれはひどい」と書いてよこした。音楽的にではなく、過激さについてである。
「キス・キス・キス」には、曲末にヨーコさんの喘ぎ声がモロに入っている。おそらく彼は、そうと知らず、ラジカセで大音量で流し、T家のお茶の間を凍り付かせたと思われる。
このアルバムは、ジョンの曲とヨーコの曲が順番に収録され、夫婦の対話形式という構成になっている。「キス・キス・キス」も、夫婦生活を歌っているわけだから、なんらおかしくはない。
けど、「スターティング・オーバー」のポジティブな雰囲気の直後に、夫婦生活をのぞき見した気分にさせるなんて、ヨーコさんはすごいことをする。
ジョンの曲は両曲が粒ぞろいなのだが、アルバムに配置されると、いい曲であるか否かに関係なく、過激さにおいてヨーコさんに気圧されるところがある。
ヨーコさんの曲は旋律が独特で、魅力的なところがあるし、声も悪くないと思うのだけど、歌い方に決定的な弱点がある。リズムに、まったくのれていないところだ。これは、もともと歌手でもミュージシャンでもないし、生まれも戦前だし、仕方ないところがある。そういうリズム感は育てようがないだろう。
「キス・キス・キス」は、ラスト手前までかっこいいのだ。「抱いて」というセリフが挿入されるアレンジも悪くない。しかし、ラストの、うねる伴奏に合わせて情欲をほとばしらせるようなヨーコさんの声には、いまだに慣れない。
同時に、すごい人だなあという畏怖も感じる。そして、このくらいの人でないと、ジョン・レノンと結婚できないだろうなあとも思う。二人ともすごい。