『リア王』と悲劇ポイント

8時頃に起きた。外は曇っていたが、少しずつ雨模様になっていった。

10時半に家を出る。小雨が降っていたが傘は持たず新宿へ。

サブナードを通ってTHEATER MILANO-Zaへ。東急歌舞伎町タワーではアイドルのフェスらしきイベントをやっており、ビル前のステージで知らないアイドルが歌っていた。

12時、大竹しのぶ主演『リア王』見る。3階席から舞台は遠すぎて、出演者の顔がまったくわからなかった。長女ゴネリルを宮沢りえ、三女コーディリアを生田絵梨花が演じていた。

『リア王』を味わうには、悲劇の可能性について考えながら見るのがいいのではないかと思った。一つの過ちが生む悲劇はどのくらい連鎖しうるのだろうかという可能性だ。

制限時間は主人公が死ぬまで。ひとつの悲劇について、別離1ポイント、破産1ポイント、身体欠損は部位につき2から4ポイント、自然死10ポイント、殺害20ポイント。

そうやって、各悲劇作品をポイントで採点し、そこに審査員の芸術点を加算すると、『リア王』はかなりの高得点を記録する作品ではないかと思う。高得点の悲劇は、見るのがしんどいという欠点があるが、自分を採点者に見立てると、機械的に見ることができる。

そんなふうに見たわけではないが、悲劇イベントの連チャンはやはりしんどかった。演出は前衛的というよりはオーソドックスで、衣装が現代風である以外、登退場や椅子の使い方や人物や大道具の配置など、整理され洗練され、機能美と様式美の両方があった。

3時半終演。外に出ると雨はほとんど降っていなかった。

アイドルのフェスはまだ続いていた。大音量に見合うほどの観客数ではなかった。舞台から道を隔てた柵に、サイリウムを振って「オイ!オイ!」コールをする男たちが数十名おり、半分ほどは推定昭和50年以前生まれに見えた。

Y’S martで買い物をし、5時に実家帰宅。米を研ぎ、夕食のおでんを作った。

6時、夕食におでんを食べる。ささっと作ったわりに美味しかった。

『真説・長州力』読む。藤波との名勝負数え歌から、ジャパンプロレス設立、全日本プロレス参戦、新日本復帰、前田によるカットプレー事件、猪木政界進出と坂口体制で現場監督就任あたり。

坂口社長と長州現場監督時代は、新日本プロレスが最もうまくいっていた時代だと思う。1990年代とほぼ重なる。前後の80年代や2000年代と比べると、この10年間は新日をわざわざ辞めてフリー宣言するレスラーはほとんどいなかった。坂口社長が良かったのだろう。経営者としては馬場さんより堅実かもしれない。