初めて見た五輪はロス五輪

 朝から鬱陶しいこと極まりない天気だ。雨雲が俺のことをストーカーしている。こういう時警察は頼りにならない。自分で自分の身を守るしかない。
 
 稽古は休みだが、DMの差出人を印刷する仕事があり、夜ちまちまとそれをやる。実は今やっている。印刷枚数が多いので、その隙に日記を書こうと思ったわけ。
 ふと気がつくとオリンピックがもうすぐだ。おいおい、ついこの間やってなかったっけ?
 昨日稽古場で望月が「はじめてテレビでオリンピックを見たのはいつですか」と質問していた。役者の大部分はソウルフルに「ソウル!」と答えていたが、俺は何かを失ったように「ロス…」と答えたのだった。

 しかし俺らの世代はロスが圧倒的に多いんじゃないだろうか? だってモスクワは棄権しているもんね。
 だから、初めて見たロスオリンピックは中学生の時だ。確かオープニングセレモニーでライオネル・リッチーが歌ってたような…あと、ロス五輪のアルバムも出ていたような…
 良く考えてみれば俺はオリンピックをロス以来殆ど見てない。
 ソウルは高校3年で受験勉強真っ最中だったし、バルセロナは卒論などで忙しかったし、アトランタの頃は夜のバイトをしていたし。
 そして今度のシドニーも、稽古で見られないじゃないか。何てこった! 世の中どうなってるんだ!
 しかもシドニーなんて、時差殆どねえじゃねえか。(少しはあるのかな?)
 おっと、ハガキを補給せねば。

 ハガキの印字が終わり、本日9杯目のコーヒーを飲む。さて、ラストシーンの下書きだ。
 でも眠い。もしかしたら寝てしまうかもしれない。
 結果は明日わかるでしょう。