昼の1時。
昨日見に行けなかった岡島さんの芝居を見に行った。
新宿パンプルムスへ。
キャパ60くらいの客席はほぼ満席。
岡島さんは作・演出の他に、客入れと前説と音響オペレーターをこなしていた。
芝居は、新宿梁山泊を彷彿とさせるシーンと演出が随所に見られ、岡島さんの演劇的をかいま見させてくれた。
終演後、紀伊国屋書店へ。
一昨年亡くなったプロレスラー、冬木弘道の本を読む。 FMWがなぜ倒産したのかを書いた本だ。
FMWは大仁田厚がポケットマネー数万円で電話だけを引いた状態から立ち上げて、やがては川崎球場を超満員にするプロレス団体となった。
しかし大仁田が引退してから少しずつ団体の歯車は狂いはじめ、2001年にはついに倒産してしまい、社長の荒井氏は自殺に追い込まれてしまった。
冬木の本では荒井氏に関して痛烈とも言える批判が書かれていたが、荒井氏も生前にFMW倒産の顛末を本にしており、その中で冬木を批判していたから、これはあいこだろう。
冬木本による荒井氏の批判は、団体の長となる者への警句集として、プロレス団体だけではなく、なにかを作るために人が集まったクリエイティブな団体すべてに敷衍できる。
九段下に行く。
マクドナルドに入ると、三代川から年賀状の返事メールが来ていた。
彼は、
「僕は年賀状書きませんから」
と公言していた。
だから彼宛ての年賀状には、
「返事を出さないとお前は死ぬ。そして返事はがきの当たりくじがはずれていてもお前は死ぬ」
というメッセージを添えた。
それに対する返事がメールで来たわけだ。
返事にはこうあった。
「死にたくはありませんがメールにて失礼します」
死にたくはないのに、メールで済ましたということは、死の覚悟ができたのか。
マックを出て神保町へ。
九州ラーメンの店が開いていたので入る。
客が一人もいなかった。
土曜日だからだろう。
ラーメンと替え玉の食券を買うが、ラーメン一杯でも量は結構多かった。
武道館へ。
プロレスリングノアを見に行く。
今年最初の興業だ。
2階席で見る。
客席は満席だった。
前座試合を(ふむふむ)といった感じで見る。
秋山準が登場するあたりから、盛り上がりはじめた。
花道をただ歩いてくるだけでも、秋山と他の選手では、発するオーラが違う。
セミファイナル。
ある意味、これが目当てで来場した客も多いだろうと思われる、三沢と天龍のタッグによる試合、
客席の期待感は凄かったし、天龍コール、三沢コールは耳を聾せんばかりだった。
三沢のパートナーは力皇。天龍のパートナーは越中。
序盤で、天龍のチョップと三沢のエルボーの、十数発にも及ぶ打ち合いという最高の見せ場がきた。
客は足を踏みならす者続出だった。
次に、力皇と天龍による、グーパンチと張り手合戦も盛り上がった。
力皇がで天龍をコーナーに押し込むと、拍手が起きていた。
かわいそうだったのは越中で、あの年齢にしては実に機敏に動いていたにも関わらず、カットプレイをしただけで、場内が大ブーイングに包まれてしまった。
試合は力皇が越中をフォールして終わり。
メインは、小橋と鈴木みのるによる、GHCヘビー級選手権。
小橋の打撃はすべてよけると戦前に語った通り、序盤から鈴木のフットワークはさえ渡っていた。
関節技を鮮やかに駆使し、鈴木ペースの試合が続くのだが、悲しいことにのある決め技を、鈴木みのるはそれほど持っていなかった。
ゴッチ式パイルドライバーも、返されてしまったし。
全体的に鈴木の関節技を小橋がしのぐという展開が多かった。
最後は、ヘロヘロになった鈴木に小橋が剛腕ラリアットを食らわせて王座防衛。
小橋の挑戦相手不足は、いよいよ深刻になってきた。
それこそ、天龍クラスでないと、新王座の説得力がないかもしれない。
地下鉄の混雑を避け、早めに会場を出る。
10時帰宅。
1月5日にビデオに録っておいた「夏目家の食卓」を見る。
夏目漱石を本木雅弘が。
そして鏡子夫人を宮沢りえが演じた。
演出は久世光彦。
モッくんは素晴らしかった。
漱石の神経症を大げさに演じていたにも関わらず、見る者に決して不快感を与えないようにしていた。
宮沢りえはただもう綺麗だったが、それ以上に役者としてものすごく成長しているのがよくわかった。
脇を固める役者も、癖のある役者が多く、だった。
しかし、ストーリーを語るテンポや、笑わせるシーンを巧みに織り交ぜる演出テクニックは、やはりすばらしい。
最後まで飽きずに、ひたすら楽しむことができた。