プロレスコミュニケーション

 そういえば中日は4月末にも阪神との試合で、8点差だかをひっくり返したのだった。
 それも井川相手だったか。
 その時は敗北が尾を引き、チームは5連敗した。
 直後に交流戦が始まったのだが、阪神にとって見れば嫌なムードを払拭するいいきっかけになったのだろう。
 終わってみれば勝率3位の成績で貯金も出来たし、逆に中日は星を落としまくり勝率5割そこそこになった。

 昨日の敗北がこれからの試合にどう影響するか。
 もしもずるずる連敗していくようでは、ペナントの行方は中日に大きく傾くだろう。

 7月18日のドーム大会を成功させたノアが夏休みに入っている中、新日本プロレスでは夏恒例のG1クライマックスがはじまっている。
 川田参戦というサプライズがある割にはいまいち盛り上がっていないように思えるが、これは昨年秋から続くヘタレ興行の後遺症だろう。
 だが、さすがにG1は面白い。
 今のところ、藤田、中邑、天山、川田がリードしているが、大どんでん返しがG1の本領だから、当然このままでは済まないのだろう。
 個人的にはカシンを応援しているが、ウエイト的に決勝に残ることはないと思う。
 だが、予選で鈴木みのるとあたるらしく、これは見たいものだ。

 その鈴木みのるだが、G1であまり目立っているとは思わない。
 むしろ、文句たらたらといった感じである。
 しかし、プロレスでおのれの存在を目立たせるための努力は、まったくしていない。
 これではこの先沈んでいくんじゃないか。
 前に秋山準のコラムで、鈴木みのるは最近になってきてヤバイ、みたいなことが書いてあったが、それはキャラクター云々ではなくて、自己演出力がおろそかになっていることをさしているのではないか。

 鈴木みのる自身が書いているブログを読む限り、この人は試合中のイメージとは正反対のまっとうな人間だとわかる。
 駄目な対戦相手には容赦ないが、書いてあることは正論だと思う。

 しかし、先のW-1で曙との試合をなんとかまとめた武藤や、柴田の出方に応じて派手なケンカファイトをやらかした秋山は、対戦相手の善し悪しと自分のやる試合は別物と考えているんじゃないだろうか。
 駄目な試合をしたら、たとえそれが対戦相手のせいだとしても、責任は二人にあることになるのがプロレスだ。
 演劇にたとえれば、駄目な役者相手のシーンで自分だけ頑張っても、そのシーンは駄目なシーンになってしまう。
 同じことだろう。

 試合の評価は秋山柴田戦が最も高かったが、対戦相手ということを考えると武藤のプロレスマスターぶりはすさまじい。
 かつてアントニオ猪木は、ほうき相手でもプロレスができると言われたが、武藤はそれ以上だったわけだ。
 圧倒的なプロレスコミュニケーション能力だ。

 暑さは峠を越えたが、汗は相変わらず出る。
 空気がじとっと湿っている。
 夏の寿命が残り3週間だと、カレンダーを見て知りけっこうショックを受けた。

 夜、久し振りにカップ麺夕食。

 阪神中日戦は、阪神が5対3で勝った。
 初回に出た金本の3ランで得たリードを、自慢の投手陣で守った。
 嫌な負け方のあと、こうした勝ち方ができたのは非常に心強い。
 ペナントレースもまだまだ楽しめそうだ。