西伊豆行

 朝7時半、車で西伊豆に向かった。
夏の終わり、最後の海を味わう旅行。
しかしヤフーの天気予報では終日曇りマークだった。
夕陽を見るために西伊豆へ行くというのに、幸先はあまりよくなかった。

例によって鎌倉街道から町田へ抜け、246を西へ。
御殿場のあたりから雲行きが怪しくなり、裾野市から雨が降り始めた。

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11時に沼津到着。
港の市場にある店で、桜海老の丼ものを食べる。
ぬまづ丼というらしい。
半分食べてからお茶漬けにすると、桜海老の天ぷらがしんなりしてまことに美味だった。

沼津市を出て海沿いを南へ走る。
雨は降ったりやんだりを繰り返していた。
レンタカーについていたカーナビがあまり新しいものではなかったためか、途中で海沿いのルートを外れてしまった。
車はどんどん山の中へ。

標高500メートルくらいの山を越え、戸田町へ降りる。
その頃には雨はやんでいた。
さらに海沿いを南下し、土肥海水浴場へ2時半ごろ到着。
なんと、空は晴れていた。

松林の芝生にシートを敷いて、一休みしてから泳いだ。
おそらく朝のうちは大雨だったのだろうか、海水浴客はそれほど多くなかった。
砂が黒いため、波打ち際は水がにごっているように見えたが、泳いでみるとむしろ透明度はとても高かった。
ほんの少し沖へ行き潜ってみると、水底をメゴチが泳いでいた。

2時間泳ぐうちにふたたび雲が出はじめ、寒くなった。
残念ながら海に沈んでいく太陽は見られそうになかった。

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5時半にペンションへ。
山の中腹にあり、そこから見晴らす駿河湾は地平線が盛り上がって見えた。
ただし、雲は海にいた時よりも厚く立ち込め、茜色の空はまったく見られなかった。

海を見ながら夕食。
刺身以外はすべてフレンチで、なかなかおいしかった。
鮭とホタテのホイル焼きと、ミートローフ、パスタ、サラダなど。

オーナーから、8時から土肥海岸で花火大会があると聞いていたので、食後小一時間ほど休んでから再び土肥へ向かう。
海岸は昼より混雑していた。
8時半に花火が始まる。
沖に浮かんだ舟から打ち上げているのだが、東京の花火大会ではなかなか味わえない迫力があった。近さと見晴らしのよさのためだろう。
ラストの一発がとかいう花火で、パノラマ状に花火の滝が出来上がるものすごいものだった。
とにかく横幅がすごい。数百メートルはある。
締めにふさわしい大花火だった。