都会なのに、大人なのに、木に激突

朝7時半起き。天気予報では今日も、どこかの時間帯で雨だった。そして、予報は見るたびに変わった。

午後、雨が降っていない時間帯に走りに行く。新宿に自転車を停めっぱなしにしてあるので、ついでに取りに行くことにした。
方南町から方南通りを通り、いつものコースから駐輪場に着いた。

先日、駐輪場の植え込みに生えていた雑草が刈り取られたのだが、早くも地面からどくだみの葉が生え始めていた。そこで、なんとなく、といった感じで植え込みに入り、どくだみやその他の雑草を引っこ抜いた。そのまま、暇つぶしのように草むしりを続けていたら、突然、ブーン!という強めの羽音とともに、目の前にスズメバチが現れた。

今思えば、スズメバチではなかったかもかれない。しかし、音と、目の前を威嚇するように横切る飛び方に、体が真っ先に反応してしまった。

植え込みを飛び出し、ダッシュでその場を離脱する。眼の前に、スペースを囲っている木があったが、勢い余って激突。「ミシボキッ!」という音がした。

木の向こうに三十代くらいの女性が立っていた。その人は、汗だくの男が自分の方に向かって走り出し、木に激突したのを見て、硬直していた。

後ろから、ブーン! が近づいてきた。木を避け、その人の脇を全力疾走で走りすぎ、そのまま山手通りの下り坂を渋谷方面に全力疾走し、息が切れたところで止まった。

「植え込みにしゃがんで草むしりをしていた男が突然ものすごい勢いで走りだして木にぶつかったあと、山手通りを走り去っていった」

とかいうツイートがもしもあったら、それはおれだ。

もう、恥ずかしくて恥ずかしくて仕方ないっ! という思いを抱えながら、山手通りの坂を初台交差点に向かって歩いた。

オペラシティのトイレで泥だらけになった手を洗い、駐輪場に戻った。料金は800円以上になっていた。

5時過ぎ帰宅。

先々週作った煮豚のタレで、また煮豚を作った。

夜、『罪と罰』第6部まで読む。
ラスコーリニコフが罪を告白する場面は、往来のど真ん中だと思いこんでいたが、違った。たぶん、以前見た舞台版の演出がそうなっており、強く印象に残っていたからだろう。
手塚治虫も『罪と罰』を漫画化している。昭和20年代に描かれたもので、名作を子供向けにコミカライズする企画の一つだったらしい。この作品も、罪の告白は往来でなされていた。
シアーシャ・ローナンなら、ソーニャもドゥーニャもできるなあと思った。そういえば、チェーホフの「かもめ」の映画版でニーナをやっていた。日本未公開だ。ソフト化して欲しい。