5時半起き。フルーツケーキを食べてコーヒーを飲む。
6時20分に家を出る。外はまだ暗かった。新高円寺駅に着いた頃に少し明るくなっていた。
東京駅へ。キオスクでとんかつパンと海老カツパンとコーヒーを買って総武線ホームへ。特急しおさいに乗る。乗客はほとんどいなかった。
『富士日記』上巻読む。この『百合子』はかっこいい。天衣無縫とはこういうことをいうのだなと思う。時々、娘の花さんが書いた日記も収録されており、その文章がかわいい。
成東駅に着いた時、グーグルマップを見て、特急が成田線ではなく総武線を通って来たことに今更気がついた。総武線でそのあたりまで来たのは初めてだった。
9時半過ぎに銚子到着。駅の観光案内でバスと銚子電鉄のフリーパスを買った。
銚子電鉄のショップがイオンモールの先の方にあるので、バスを待った。次のバスは10時38分だった。イオンモールまでは5キロくらいあり、ショップはさらに1キロ先にあるので、バスを待つしかなかった。
待っている間、駅前を少しウロウロする。風が強く吹いており、昨日買ったばかりの傘が風で大きくたわみ、骨がひん曲がってしまった。
バスに乗りイオンモールへ。そこから徒歩で銚子電鉄のショップ『ぬれ煎餅駅』に向かって歩くが、強風で傘をさすとまた別のところがひん曲がった。そのうち、駅でひん曲がったところが折れてしまった。雨自体はそれほど強く降っていなかったので、傘をささずに歩いた。
10分ほど歩いて『ぬれ煎餅駅』に着いた。『まずい棒』『ぬれ煎餅』の他に、焼く前の煎餅生地を買った。商品には面白いのが色々あった。『バナナ車掌』とか、『バナナ車掌の妻』とか。妻は28歳らしい。
あと、銚子電鉄の線路にたまった『腐葉土』を売っていた。とうとう土まで売ることにしましたというPOPが貼られていた。売れるものなら土でも売る商魂だが、その姿勢に愛嬌がある。
お店の人に、おまけのまんじゅうをもらった。
イオンまで歩き、新しいビニール傘を買った。今度のは直径が小さいのにした。風が強い時は小さい傘の方が骨が折れにくいはずだ。
12時のバスで銚子へ。降りてすぐ港に向かって歩いた。買ったばかりのビニール傘を差したが、すぐにまた骨がひん曲がってしまった。仕方ないので、傘を全部は開かず、半分畳んだ状態で頭を突っ込み、唐傘おばけみたいな形になって歩いた。
利根川河口近くの『鈴女』へ。ここはいつも行列ができる店らしかったが、今日は空いており、並ばずに入ることができた。
海鮮丼を頼む。すぐに出てきた。刺し身は色々たっぷりのっており、人気が出るのがよくわかった。ご飯は酢飯で結構量があり、お腹いっぱいになった。
駅に戻り、銚子電鉄に乗る。レトロな広告が色んな所に貼られていた。ネットで有名な柚山さんという女性車掌さんが乗っていた。小柄な人で、車掌の制服が大きく見え、少年のようだった。ピンク色の靴を履いてトコトコ歩き、乗車券を販売する姿は、大変かわいらしかった。
車内アナウンスも女性の声だった。柚山さんの声なのかはわからないが、駅名に引っ掛けてキャッチフレーズを言う独特なものだった。
終点の外川駅まで20分ほどかかった。6キロ強をその時間だから、サブ3を走るランナーの方が早いかもしれない。しかし、ノロノロペースで独特な車内アナウンスを聞いていると、焦ってもしようがねえなあ、という気持ちになった。この電車を毎日使って育つと、せわしなさとは無縁の人間になるのではないか。
外川で降りたものの、特にどこに行くというあてはなかったので、とりあえず海に向かった。『富士日記』に山荘の近くに住む石屋が登場するが、そのおっさんの名前も外川だった。偶然の一致。意味はないかもしれないがちょっとうれしい気がした。
外川の周辺をGoogle Mapで調べると、平地で一番早く初日の出が拝める『長崎鼻』という岬があったのでそこに向かった。
『長崎鼻』には灯台が立っていた。周囲には人っ子一人いなかった。灯台の近くまで行くと風が一段と強くなった。風から身を守るように灯台に身を寄せて海を眺めた。打ち寄せた波濤が風に煽られて、霧のように細かい水しぶきとなっていた。
灯台から離れ、岬の突端に向かって歩いてみた。風がますます強くなり、まっすぐ歩けなくなった。さすがに、岩場の波打ち際に下りることはできなかった。
岩場から灯台に戻り、そこから車道まで戻った。雨がまた降り始めた。風が強かったので唐傘おばけスタイルで傘をさしたが、それでも骨がひん曲がりそうだったので、こうなったら濡れてもいいやと観念し傘を畳んだ。
外川駅に戻ると、14時半過ぎの電車がすぐにやってきた。小学生の男の子が一人で乗る冒険をするらしく、両親が付き添いで来ていた。
フリーパスを買ったことだし、途中の駅で降りてみようかと思ったが、地図を見ても見に行きたい場所はなかった。ぶらっと散歩するにもこの天気だし、いったんコーヒーでも飲んで夕飯まで時間をつぶすことにして銚子に戻った。
マックに入りコーヒーを飲んだ。スマホで書き作業をした。昨年行った『さのや』で今川焼きを買うことも考えたが、銚子から徒歩ではけっこう距離があった。車でないとこういう時不便だ。
4時半過ぎにマックを出た。夕食を食べに『一心』という街中華に向かう。風は大分収まっており、雨もやんでいた。
『一心』で上カツカレーを食べた。トマトの酸味をかすかに感じるカレーソースだった。
テイクアウトの注文をしに年配の女性が入ってきた。店員が代わりに上カツカレーの食券を買ってあげていた。カレーができるとその女性はお金を払おうとしたが、「もうお金はいただきましたから」と言われて少し戸惑っていた。認知症の常連客なのかもしれないと思った。
銚子駅に戻ると5時半過ぎだった。三十分ほど駅構内でスマホの三國志をやって時間をつぶし、ファミマでビールとレモンサワーの缶を買ってから改札に入り、すでにホームに入っていた特急に乗った。
6時半過ぎに電車は動き出した。ビールを飲み、『富士日記』を読んだ。窓の外を見るとトンネルの中を走っているように真っ暗だった。
8時半過ぎ東京駅着。『えきねっとトクだ値』で特急券を買うと、普通プラスグリーン車よりも安かった。今後、近郊にぷらっと出かける時、大いに利用しようと思った。
9時半帰宅。買ってきた濡れせんべいと『まずい棒』を少し食べた。『まずい棒』は『うまい棒』とまったく同じだった。『うまい棒』のメーカーは知っているのだろうか。知っていて、かつ、銚子電鉄のしゃれっ気を黙認しているならいいなと思う。
銚子電鉄の女性車掌、柚山さんの動画をYoutubeで見た。ハキハキしてかわいかった。銚子電鉄の顔みたいになっているようだ。
12時半就寝。