夕方、鍋横で稽古。
先生シーンをやる。
今回の登場人物は13人だが、全員がいっぺんに舞台に上がるシーンはない。
先生シーンが同時に舞台に上がる人数が最も多い。
そのため、交通整理的なことをしつつ、細部に手を入れることになる。
細部の稽古は楽しい。
ドタバタの原始的な基本が、バナナに転ぶ男であるとするならば、その男がそんなつもりじゃなかったからこそ笑えるのだろう。
そう言う意味で、先生達は誰もが、そんなつもりじゃない。
そんなつもりじゃないのに、否が応でも状況に巻き込まれる。
見ようによっては、気の毒なはずなのだが、気の毒であればあるほど笑える。
が、稽古場だから笑えるという部分はある。
しのちゃんと阪上君シーン、そしてしのちゃんと松本シーンは、主にしのちゃん演じる教師の先走りが、状況の突飛さを誘っている。
彼女は久しぶりの舞台出演ではあるが、突飛な状況に突っ走るリアリティを自分の中に作り出すスピード感は、むしろ以前よりも増している。
人生経験そのものが、役者修業と重なる一例かもしれない。
9時、舞台監督の日高さん来る。
ソマリ工房の染谷君が、仲介してくれた。
稽古後、美術の松本さんと話し合いをする。
日高さんが帰ったあと、松本さんと12時近くまで打ち合わせ。
台本同様、美術の方も、決定間際だからこそ、一つ決めるのに時間がかかる。
産みの苦しみ同様などと、聞いた風な言葉が頭に浮かんだ。