真夏の賞味期限

梅雨が明けるまでは真夏ではないから、今年の真夏は8月に入ったあたりで始まったことになる。
9月になれば気温の高さに関わらず、その暑さは残暑扱いとされる。
つまり今年の真夏の賞味期限はおよそひと月。
キムチより短い。

キムチの賞味期限も製品によってまちまちだ。
15日のものもあれば、45日のものもある。
どの時期に食べるのが一番おいしいのかは個人差がある。
賞味期限ギリギリの酸味の効いた頃が一番旨いという人もいれば、漬けて日が経っていない浅漬け状態の頃が一番旨いという人もいる。

真夏も同じだ。
梅雨明け間もない頃が好きという人もいれば、夏の終わりの情緒が好きという人もいる。

海に入れる期間は海水浴場によって異なる。
8月20日前後に期間が終わるところもあるし、8月末日まで泳げるところもある。

8月の終わりの海は寂しいが、空いているので泳ぎやすく、水もきれいだ。
残暑が厳しかったりすると、寂しさも吹き飛ぶ。

真夏の海は大勢で行った方が楽しい。
が、この年になると、それだけでいいのだろうかと考えることもある。
「海と私」というテーマで作文を書き、自分に提出したくなる。

夕方、焼きそばを作って食べた。
ウォッカトニックを飲んだ。
窓を全開にして部屋に風を入れた。
コガネムシが二匹部屋に入ってきて、蛍光灯の周りを旋回した。
捕まえて外に放した。
温度計つきデジタル時計を見た。
34℃だった。