一昨年、そして去年と、井の頭公園で花見をしている。
そして今年もその日がやって来た。
音速かたつむりの川口さんプレゼンツ。
あて名ラベルを買わなくてはいけなかったので、先に吉祥寺のT-Zoneへ行く。
しかし目当てのものは見つからなかった。
代わりに以前から探していたデータホルダーを購入。
キムラヤに行くとラベル用紙は沢山売っていた。
購入を済ませてから時計を見ると6時近かった。
集合時間は5時半だったので、すでに始まっているだろうと思われた。
遅れていくのに手ぶらもなんなので、LonLonへ行きギョーザを2パック買う。
公園入口には横岳が張っていた。
「中山さん見ませんでした?」
「見なかったよ」
「場所知らないっていうから入り口で待ってるんですけど」
そう言うと彼女は井の頭通り方面へ歩いていった。
池の橋を渡る時に稲妻が夜空を焦がした。
春雷というのだろうか。
別にいわなくても構わんが。
場所は去年と同じようなところと聞いていたのだが、実際にそのあたりへ行ってみても暗くて誰が誰やらわからなかった。
そのうち花見をしていた集団は皆、雨音にせかされるように撤収作業を開始した。
雨の中探したらみんなもう帰っていたというのは最悪の事態なので、あきらめて帰ろうと思ったのだが、中山君を見つけた横岳が公園に戻ってきた。
「一杯だけ飲んだら帰りますよ」
と、中山君は言っていた。
そうこうするうちに雨脚は急速に強まった。
横岳のナビゲーションで現場に着くと果たして撤収作業が行われていた。
川口指揮官が高い声で指示を出した。
「とりあえず駅の方へ向かって下さい」
見かけによらず用意周到な中山君は傘を用意してきていたので中に入れてもらい駅まで歩く。
塚本「ねえ中山君。この、上から、落ちてくるものは、なんだい?」
中山「これは雨って言うんですよ」
塚本「あ…め?」
中山「空から落ちてくる水ですよ」
塚本「どうして空から、水が、落ちてくるの?」
中山「ノド乾いた人が飲むためですよ」
塚本「へえ、便利な星なんだね地球って」
中山「そうですね」
塚本「でも、ノドが乾いてない人もいるよ?」
中山「だから、貯めておくんですよ」
塚本「どこに?」
中山「川ですよ」
塚本「へえ、ますます便利だ」
中山「そうですね」
塚本「でも、ここって川じゃないよね」
中山「…」
こんな会話を大人げなく3回繰り返し、丸井で一旦全員集まる。
一人900円で飲めるような店を見つけ、そこで飲むことに。
気がつくと中山君は姿を消していた。
店の中に入るとなぜか空中バレエの坂が別のテーブルで飲んでいた。
川口さんはメニューと電卓を駆使して注文を始めた。
一人900円以内に収めるためには注文ごとのリアルタイム計算が欠かせない。
これはなかなか出来ることではないのだ。
音速かたつむりの公演に出演していた小林君と話をする。
川口さんが気を利かせてくれたのだが、なかなか話のとっかかりがつかめず、なぜか二人で落ち着いたテンションのまま「北斗の拳」クイズをやった。
それから時計少年大谷さんと話す。
「5月の後、7月もやるんですか?」
「そうなんだよ」
「大変ですね」
「そうなんだよ」
「ところで塚本さんは目に力がありますね。見つめられると汗が出ます」
被害者の方は名乗り出て欲しいと力強く思う春の宵である。
浅香はiBookを取り出し、「ギョーザ大作戦」の写真を見せてくれた。
役者の表情が豊かに撮れていて、最近の公演写真の中ではかなり面白い部類にはいると思えた。
近々アップロード出来るかもしれない。
店員さんはなぜか外国人が多かったのだが、ビールのピッチャーを運んできた女店員は「なんとかスカヤ」みたいな外見なのに、名札には「甲斐」と印刷されていた。
そんなことはどうでもいいが、ビールが妙に酸っぱくてまずかったのはかなりへこんだ。
9時半頃散会となる。
武蔵小金井に着いてから妙に小腹が空いたので、むつみ屋にて醤油ラーメンを食う。
帰宅後、購入したデータフォルダーをパソコンに装着。
これで資料とにらめっこしながら文字を打つのが楽になる。
ちなみにサンプルのごとくぶら下がっているのは、餃子の縫いぐるみである。
名前を「餃次(ぎょうじ)」という。