熱海最終日

9時前に置き、浴衣姿のまま、台本書きと資料読みと調べ物を並行して行う。
つまりは、どれに手をつけていいかわからず、つまみ食い作業を続けていた。
10時過ぎ、ホテルの人に部屋の掃除をいつにすればいいか聞かれた。
「もう少ししたら出ますから」
そう答える。

11時前にホテルを出る。
昨日より天気は良かったが、快晴ではなかった。
「宝亭」で早めの昼食を食べようと思ったが、シャッターが閉まっていた。
休みらしい。

「BONNET」で食べるのも芸がないし、どうしようか迷い、11時半に『麺匠うえ田』に入ってつけ麺を食べる。
つけ麺なら東京でも食べられるが、一応その界隈で一番美味しいという店だった。
確かに美味かったが、その町に暮らしている人が食べる美味さであって、わざわざ熱海に来て食べるものではない。

12時過ぎにホテルへ戻る。
引き続き部屋にこもって台本書きの続きをするが、煮詰まる。
昨日書いた部分に修正を加えたりするうちに、3時を過ぎてしまった。

夕方4時前、諦めてパソコンを閉じる。
一応水着を持ってきたので、着替えてからホテルを出て、サンビーチまで行く。
公営のロッカールームがあったので、財布と着替えをそこにしまい、手ぶらで海に歩いて行く。

水は冷たくなかった。
波も穏やかだった。
沖の方まで泳いでから、ビーチと並行に平泳ぎで泳いだ。
ビーチの端から端へ一往復。
上がってみると30分ちょっとしか経っていなかった。

水のシャワーを浴びて着替え、駅に向かう。
昨日満員で入れなかった「さくら」に入り、地魚丼を頼む。1000円。
十数種類のネタを楽しめる。美味い。

6時過ぎにホテルに戻る。
いつもより早めに温泉へ行き、サウナに入る。

部屋に戻り、8時前に再び外へ。
夜の海岸を散歩する。

カンヅメ状態は二日間だったけど、町を色々歩けたのは良かったと思う。
通り過ぎたことしかない町の印象が変わった。
住んでみれば、けっこう楽しめる町なんじゃないかと思う。
東京も近いし。

ふらふらと色々冷やかしてからホテルに戻る。
パソコンではなくノートを開き、台本の人物プロフィールを整理する。
初めて一緒に芝居をする役者さんがとても多いので、頭の中で芝居をさせるのが難しい。
それでも、会って話すということを地道にやってはきたので、テキストが先走るということは避けられている。
むしろ、及び腰かもしれないが、明日とにかく顔合わせをしてみれば、それでわかってくる部分もあるだろう。

2時前まで色々やり、就寝。
3泊したが、仕事量的には、やらないよりはやった方がマシだったという程度だ。
でも、家にいたら暑さで悶々とするだけだったろう。
まだ終わったわけじゃない。これからだ。