植物的に見る

チケットの売れ行きがなかなか厳しい。
出演者が6人しかいないのもある。
ステージ数は6回だが、まだトータルで予約が3枚しか入っていない。
小劇場は本番直前から当日に知り合い経由でわーっと予約が入るが、一人でいる時には悪い想像ばかり出てくる。
「無人島」をやった時もそうだった。
毎回そうだ。
考えても仕方ない。コツコツ宣伝をしていくだけだ。

それでも精神は消耗している。

稽古は楽しくやれている。
最初の頃はつい、
「そこはこうした方がいいんじゃないか」
「それをやらない方がいいんだ」
「悪い癖がでてる」
などなど、ダメだし的な言葉をつい言ってしまいそうになった。

案外、言ってもらいたがる役者もいるのだけども。
言わないのだ。

何回か繰り返して思うが、役者には場面を背負う責任というものがある。
その責任の何割かを、演出に追わせる役者がいる。
追わせることで気持ちが吹っ切れ、思い切り出来るということもあるけれど、やはり、場面を任され、稽古して演出がついたら、背負うのは役者だろう。

今回集まったメンバーはみんな大人で、それぞれ「あそこどうしよう」ということを考え、答えを演出に求めていない。
農作物が育って行くのを、眺めているような気分だ。