芝居が終わったのでようやく封印を解いた。
ジョージ・ハリスンの「ブレインウォッシュド」
去年の11月に出た遺作。
「クラウド9」以来のアルバムだが、売れ線の曲があるわけではない。
全体を通して穏やかだ。
まるで発するエネルギーの臨界点が低めに設定されているかのようだ。
そこに物足りなさを感じるか癒しを感じるかは人それぞれかもしれないが、1979年リリースの「慈愛の輝き」が好きな人なら間違いなく好きになれるアルバムだと思った。
何というか、これがジョージなのだとしみじみ感じることのできる作品なのだ。
ウクレレの音がとてもさりげなく使われているのがいい。
演奏を聴くと色々なところに入っている。前面には出てこない。
あと、おなじみのスチールギター。
インドと南国調が混ざった独特のジョージ節だ。
繰り返し聞く。
ジョージの遺作としてこれ以上ぴったりのものはなかったのではないか?
部屋の片づけを少しする。
そして借りていたCDを返し、歌舞伎町のラーメン二郎でラーメンを食う。
後は何もなし。
分厚い手紙が届いた。高知にいる後輩の小松からだ。
彼はマグネシウムリボンの公演がある度に、ふらりと上京してくるのだ。
それが今年来た年賀状には、
「今年は見に行けないかもしれません」
とわざわざ書いてあった。
DMを発送したのは年賀状が来る前だったので、彼の元には先日の三本立て公演のDMが届いている。
ごぶさた致しております。この手紙は、年賀状を出した後で届いた「公演の御知らせ」を読んで書く方にしました。”新春公演”ですか!いいですねー。何だか行きたくなりました。でも、やめておきます。何か前言を翻す様で嫌ですから。”朝令暮改”ともいいますか。
手紙にはその後2ページに渡って現在の心境などが綴られてあった。
その後、昨年の7月に上演されたマグネシウムリボンの「光陰」を観た感想が書かれてあった。
前回観た御芝居ですが、「救いが無さすぎます」
ある種、内へ内へとこもってゆく、狂気性を感じましたが、これは少々”少女漫画的”過ぎなのではないでしょうか?
「陰と陽」悲劇だからと言って、喜劇性を排除してしまうと、そのバランスを欠き、作品の幅を狭める結果となっています。
塚本さんはもっと変化球を投げた方が良いです。
直球勝負は若い(ルーキー)の頃は押し通せても年を重ねて来ると通じにくくなって来ますよね。
佐々木主浩(大魔神)がメジャーに立つにあたりカーブを使用し始めた様に、塚本さんも直球をより生かせる様に、カーブ、スライダー、シンカー、シュート、SFF、Hスライダー、ツーシーム、真っスラ、スローカーブ、ナックル、チェンジアップ、スクリュー、そしてフォークと駆使してみてはどうでしょう。
決して小細工ではないと思います。観客との真剣勝負です。
Hジャンプ魔球や、消える魔球を投げようとするよりも、桑田や北別府の様に七色の変化球を操る投手が「実践向き」でしょ。
近藤の様に「伝説のサウスポー」として散る道を歩んでいる様な気が少しします。
彼は随分昔から俺の書いた台本を読んでくれている。
そして意見するところも変わらない。
色々考えさせられる手紙であった。
夜、OKストアでカキと豚肉を買い、カキフライととんかつを作る。
久しぶりに食いたいものを作った。