最悪の一日

 中山君から借りたMajesty125のバッテリーが切れた。
 それも昼、稽古場取りをしようとした真っ最中に。
 ウィンカーやライトはバッテリーが電源供給しているようで、さっぱりつかなくなってしまった。
 仕方なく中野駅の北口に停めた。

 夕方、停めた場所に行くと、バイクがなかった。
 一瞬青くなったが、地面にナンバーと電話番号が白文字で書かれていた。
 中野警察の電話番号だった。
 すぐかけて、交通課につないでもらい、車両を引き取りに行く。

 重い荷物を持っていたので、中野警察までの30分近い道のりは長かった。
 いい天気だったこともあり夕方になっても暑く、びっしょりと汗をかいた。

 駐車違反は悪いことだが、そのままウィンカーやブレーキランプが点灯しないまま走るのも悪いし、そちらの方が危険だ。
 そしてバイクの駐輪場は、中野周辺にはない。
 整備不良ということになるかもしれないが、エンジンをかけた時点では普通にウィンカーがついた。
 充電するシステムがおかしかったのかもしれないが、それは走ってみなくてはわからない。

 調書をとられたが、こちらとしては、
 「じゃあどうすりゃ良かったんだ?」
 と開き直った気分だった。
 担当の婦警と交通課の署員は終始慇懃に接してくれたのは、さすがに気の毒だと思ってくれたからだろうか。
 それでもレッカー移動代6000円、免許の違反が2点で9000円。

 15000円あったら何日分の稽古場が取れるってんだ?
 安いところを取らないといけないから、わざわざ中野区内を探しているのだ。
 移動に時間がかかるため、バイクを借りたのだ。
 それでこの仕打ちは、あんまりといえばあんまりだ。

 交通課の署員がバイクのところに案内してくれた。
 外はもう暗く、バイクのスイッチを入れてエンジンをかけても、ライトはまったく点灯しなかった。
 署員は気の毒そうな顔をしていた。
 だったら見逃してくれよと言いたかったが、いったんレッカー移動した以上、お役所的に後には引けないのはわかるし、彼らに怒っても仕方ない。

 バイクを押しながら青梅街道を歩く。
 途中疲れ果てて、ラーメン屋に入る。
 自棄になって、にんにくをたっぷり入れた。

 夜10時半帰宅。
 すぐシャワーを浴びるが、怒りは収まらなかった。
 台本書きも今日はせず。
 ビールを2缶立て続けに飲んで寝る。

  1. motom! より:

    あのー・・・
    バイク・・
    おいらのせいじゃないよね。。

    がんばって!

  2. ドカ山 より:

    そういえば元の持ち主はmotom!さんでしたね。
    今さらいうのもなんですが、非常に乗りやすいバイクでしたよ。ほんと。
    125CCとは思えないほど。
    欲しくなりました。