悪い流れ

7時起き。
汗流しのために入浴。

雨は辛うじて降っていなかったので、自転車で高円寺へ。
仕事。
並び替え用のフォームを作る。

ヘミングウェイは作家として売れる前、書きためた短編の原稿を丸ごと失ったことがある。
妻が、スーツケースの盗難にあったのだ。
それがどれほどの衝撃だったのかは想像するしかないが、災難を知った知人と話す時、ヘミングウェイは、若書きの原稿がなくなったのはかえって良いことだったと言った。
そして、強がりを言っているうちに、段々自分が本当にそう思っていることに気づいていった。

その出来事は、「異郷」という短編作品の題材になっている。
若い妻のいる中年の作家が主人公で、妻に慫慂され、その出来事を語る。
口調は、若かった頃、どん底から這い上がれた自分を、どこか冷めた自嘲的な気持ちで振り返っているようだ。

それを、老いというのだろうか?

6時半帰宅。
牡蠣のオイル漬けを仕込む。

善福寺川沿いを走る。5.3キロ。
大汗をかく。

夜、煮詰まる。
色々なことがうまく進んでいない。
悪い流れだ。
天気も、真夏にふさわしいとはいえない。

それでも、原稿紛失に匹敵する事件は起こっていない。
幸いと言うべきか。
それとも。