小屋入りの日に見た喧嘩

 何てことだ。昨日、稽古が終わってから、買ったばかりのビーチサンダルを履いて帰ったのだが、稽古場に靴を忘れてきてしまった。

 仕方ないのでビーチサンダルを履いて電車に乗る。
 荷物がかなりあったため、ラッシュアワーの中央線を3本も乗り過ごしてしまった。

 三鷹駅を過ぎた頃、車内で軽い喧嘩沙汰が起きる。
 デブサラリーマンと、若いサラリーマンの口論。
 降りる人を通す通さないでもめているらしい。

 若「だから降りる人を優先しなきゃいけねえんだろ。おめえも大人ならわかれよ」
 デ「おまえに言われる筋合いじゃないね。おまえこそガキだろう」
 若「何だこの野郎、次、降りろ」
 デ「断るね」

 結局、吉祥寺で二人は降り、しばし激しく怒鳴りあい、別々の車両に移った。
 大事に至らなくて良かったと思い、ホッとして車内に目を戻すと、目の前に美女がいた。
 ラッキーなんだかそうじゃないんだか、もう、何がなんだかわからなくなった。

 劇場に着いてから、音響設備をチェックすると、去年使ったときに比べて色々とガタがきていた。
 どういうわけかCDから直接音を出すと、レベルがでかすぎて音が割れるという現象が起こってしまう。
 MDへダビングするのに悪戦苦闘した。

 その間、舞台監督片桐の指揮のもと、パネルの建てこみが進んでいた。
 昼飯休憩のあと、舞台美術ヨネクラが書いた絵を、パネルに貼る。
 かわいい舞台になった。
 かわいい舞台の上で、バカなことをするのは、倒錯的である。

 夕方から場当たり。
 音響の坂は、昼の間トラック運転を頼まれ、あちこちに移動していたため、さすがに疲れていた。

 9時半に場当たり終了。
 明日の予定を決め、解散する。

 明日は餃子作りの稽古をしなければならない。
 今回の公演で、最難問である。
 考えると少し、憂鬱な気分になった。

 照明の千葉さん、衣装のin-viさん、そして望月と帰る。
 皆、車内ではぐったりして、あまり喋らなかった。
 喋れなかったというのが正解かもしれない。

 11時、帰宅。
 風呂に入ってから、お気に入りに登録していた餃子作りのホームページをいくつかハシゴする。