『一下級将校の見た日本陸軍』読む

朝、『やしま』でうどん。

山本七平『一下級将校の見た日本陸軍』を読んでいる。歴史的事実からではなく、その組織に身を置いたものの分析として、大変面白い。

日中戦争の時点で大学生だった著者は、学徒動員以前に赤紙がきて、卒業後徴兵された。徴兵検査の時、検査会場には町内の御用聞きがおり、普段から考えられないほど居丈高な態度で新兵達を怒鳴りつけていたそうだ。

しかし、軍を離れ一般社会に戻った時、その御用聞きは以前と変わらぬ態度で下手に出てニコニコするだろうと、著者は書いている。陸軍に身を置き、適応するということは、そうした演技性を普通のこととして順応することであり、それは『軍は要領』という言葉に集約されていた。

員数の概念も陸軍に特徴的なものだった。要するに、何が何でも数が合ってなければいけない。

員数は、今の日本における様々な組織でも、害毒になっていると思う。数値の重視。その数値になりさえすれば良いという風潮。

本書が出版されたのは1976年。小野田少尉の帰還、連合赤軍の総括事件、ロッキード事件。三つの出来事から戦後の距離を測り、その時点から35年以上前の『戦争』を、当事者として分析した本だといえる。文章からは、この分析に私情が入らないように努力している様子がうかがえる。陸軍最悪、あいつが悪い、では済まない何かの存在が、日本人人とは何であるかというテーマに寄せるようにして考察されている。非常に面白い。

昼、弁当。配達弁当はやはり品数が豊富だ。

夕方、内科の定期健診へ。とはいえ、「調子どうですか」と聞かれ、「普通ッス」と答えるだけのもの。

夜、Youtubeで釣り動画を見ながらセーター編み。

シーバス釣りを『始めた』と言えるのは、昨年からだった。『やった』のは2018年だが、秋だけだったし継続的ではなかった。

釣りたいから当然ネットで色々調べるのだが、一年前くらいはただただ、釣れるルアーを調べていた。鵜呑みの連鎖である。そしてなぜか、有名なシーバスアングラーの動画はほとんど見なかった。

最近、村岡昌憲さんの動画を見ている。もちろん、勉強になるのだが、一年前に聞いてもわからなかったと思う。いや、分かっただろうが、それを聞きたいと思えなかっただろう。だから聞かなかったわけだ。だから下手で、だから釣れなかったわけだ。今でもそういうところがある。面倒くさがってスルーしているところが。

たとえばフックの交換、リーダーの傷み確認など。真剣に向き合っていない。なぜなら、面倒くさいからだ。でも、ここを面倒くさいと思っているから、ダメなのだ。

分かっているけど面倒くさい。痛い目に合わないといけない。この前、ネットで取り込みをしくじった時みたいに。