11時に小屋入り。
東さんに言われる。
「オギノが舞台下で寝てるから、あとで起こしてやって」
裏に回って舞台の下を除いてみると、確かに一人の男が倒れていた。
よりによって2日連続の雨であった。
受付をしていると指先に血が巡らなくなる。
気温も低く、冬将軍の到来を思わせる。
そういえば今週の頭には、木枯らしが吹いた。
松本健、宇原君、あやちゃん、漠の女の子3人、岡本さん来る。
どこかでコーヒーでもと誘ったが、予定があるらしかった。
外山さんのお母さんが差し入れてくれたご飯を食う。
煮物、揚げ物、サラダ、漬物、どれも大変おいしい。
緑色した小さな実の漬物があった。
なんと、メロンの漬物とのこと。
昼寝をしていたら、横岳から電話。
切羽詰った調子で、
「ドカさん、あの、予約をした人の受付整理番号は、そのままでいいんですよね? 劇場にやってきた順にはなりませんよね?」
と、聞く。
めぐみさんに確認を取り、折り返し電話をし、心配しなくて大丈夫だと伝える。
「ああ、よかった。ありがとうござ」
すぐに電話が圏外になった。
発声をしていた原口さんがおもむろに歌い始めた。
あろうことか、故・沖田浩之の「E気持ち」だった。
久しぶりに聴いた。
しかし、この曲を聴くたびに、沖田浩之の所属事務所は、彼をどういうアイドルに育てたかったのだろうと考えてしまう。
無茶な歌だ。
夜の公演は大勢のお客様が来た。
幸い雨もやみ、傘袋を配る必要がなくなった。
もし降っていたら、10分くらいおしていたかもしれない。
横岳、村川さん、中山君、つるまみ、小野さん、山口めぐみちゃん、家城君、おかだようちゃん、臼井さんとそのお母様、その他色々な人が来る。
臼井さんのお母様から差し入れをいただく。
この日記をいつも読んでいて、本を選ぶ時間がないだろうというので、なんと、文庫本を3冊!
宮部みゆきの「堪忍箱」
柴田よしきの「フォー・ディア・ライフ」
篠田節子の「弥勒」
楽しみが増えた。
終演後、中山君やつるまみらと劇場にて飲む。
オギノ君は一缶の発泡酒で顔を赤黒くしていた。
10時半頃までいろいろ話し、辞去する。
新宿から中央線に乗って帰る。
村川さん、中山君と一緒。
芝居の話などしつつ、村川さんの横顔をみて、おや、と思う。
いつの間にか、なんだか、大人の、色香を、漂わせるように、なったりして。
思わず車内で腕組みをした。
今日から、「村川さん」だなんて呼び方はやめて、「ミドリ」と熱く呼びかけるようにしよう。
とりあえずは、心の中からスタートだ。