闇雲に書き続けると無駄な会話が増えていく。
ページ数をどんどん稼げるので調子がいいと錯覚しがちなのだが、テーマや本質から逸れてしまうことの方が多い。
ある程度冷静さを保っていた方が後々楽なのだ。
しかし暴走したキー入力のブレーキングを間違えると書く意欲を失ってしまいかねない。
なぜならイメージが湧き出す泉が枯れてしまうからなのだ。
わき出てくるうちにとにかく書けるだけ書いてしまい、冷静になってから推敲するのがオーソドックスなパターンであろう。
ある意味、言葉のイタコだ。
ここ数日は台本書き以外の息抜きタイムに人生の喜びが詰まっているように感じる。
今日はビデオデッキの修理をした。
再生しても画面が砂嵐状態のままになるという状態だったのだが、音声だけは普通に再生されるのが気になっていたのだ。
デッキのケースをはずし、ヘッド部分を観察してみる。
特におかしいところは見られない。
そのまま電源を入れ、テープを再生してみる。
ヘッドとテープの接し方は問題ないようだ。
考えられることは二つ。
ヘッドが汚れているか、もしくは映像信号を読みとる回路がおかしくなったか。
後者なら処置なしだが、前者なら打つ手はある。
ヘッドクリーニングの敢行と、テープ1本分の再生だ。
なぜテープ1本分を再生するのかといっても答えられない。
そうするうちにだんだん映像が見えるようになってくるからとしか言えない。
推測するに、ヘッド部分の磁性が何らかの原因でおかしくなってしまい、テープの磁気を正しく読みとれなくなっているために砂嵐になるのではなかろうか。
よって1本まるまる再生することでヘッドが帯びる磁気を元の正しい状態にするというわけだ。
とりあえず黒澤明の「赤ひげ」を再生しっぱなしにした。
それから夕食の支度をし、洗濯をした。
ソーメンを特製山かけ納豆つけつゆで食い、お茶を飲んでから台本の続きにとりかかった。
4時間あまり再生しっぱなしにしてから、再びビデオを巻き戻す。
なんと、直っていた。
欣喜雀躍。
すぐにケーブルテレビのセッティングをし直し、いつでも録画可能な状態にする。
その時たまたまつけたテレビでやっていた番組は「太陽にほえろ」だった。
ボン、殿下、スコッチがいた。
ということは昭和55?6年頃だろうか?
豆知識だが、ドラえもんの声で有名な大山のぶ代さんは「太陽にほえろ」のシナリオを3本くらい書いている。
知る人ぞ知る豆知識だが、次の芝居に生かせないだろうか?
それは無理だ。