昼の間仕事先のPCでひたすら情報収集にいそしんだ。
再インストール時の症状は、インストールディスクで起動すると、キーボード選択画面の手前で固まってしまうことだった。
画面に、
PCI BUS SCAN COMPLETE.
と出た後だ。
いろいろ調べてみると、どうやらフロッピーディスクからACPI関連のドライバを読み込んでしまうとそうなってしまうらしい。
なぜなのかはよくわからない。
夕方実家に帰り、ファイルを一つずつ読み込むモードでディスクを起動してみた。
そしてACPI関連のファイルはすべてスキップした。
すると難なくウィンドウズ98インストール画面へと移行できたのだった。
実家で使用しているPCは、昨年日本での販売を中止した腰抜け会社GATEWAYのNeoである。
発売が3年前。
その当時でもセレロン400Mhzのハードディスク4Gというスペックは決して高いとはいえなかった。
それでもネットサーフィンをしたり文書を作成したりする程度の利用には何ら問題はなかったのである。
しかし安さと引き替えに犠牲にした拡張性の低さは、ハードに詳しくなるにつれて気になってくる。
ハードディスク交換とメモリ増設が不可というのは、さすがに厳しい。
ところが世間は広いもので、そんなGATEWAY Neoに256Mのメモリをのせ、CPUをアップグレードし、ハードディスクも増設するという人がいたのだ。
拡張性が低いとはいえ、もともとDOS/V機というのはマザーボードからある規格に収まっているので、特定の機種にしか使えないメモリーというものは存在し得ないのだった。
つまり理論的には可能ということになる。
問題はサポートが売りのGATEWAYが「サポート外」と言ってのける諸作業を、やってのける勇気があるかどうかだ。
やってのけた人はマシンをつぶす覚悟だったのかもしれない。
ある意味、ふぐを最初に食った人と同じだ。
勇気と好奇心。
コロンブスの卵。
というわけでその人のホームページを見ていたら、実家のPCへの愛情が再びじんわりと湧いてきたのだった。
「俺たちだって飛べるんだよ!」
再インストールは夕方6時に始めたのだが、様々なカスタマイズや更新作業を細かくやっていたら、あっという間に夜中の1時になってしまった。
さすがに疲労困憊。
しかし前よりも「俺の言うことをちゃんと聞くようになったかわいい」PCを前にすると疲れも吹っ飛ぶ。
いやらしい夢を見そうな予感を抱えつつ謹厳実直に気をつけの姿勢にて寝る。