実家の冷蔵庫が壊れてしまった。
おかげで冷凍食品や生ものその他色々が壊滅的な打撃を受け、今朝のおかず事情に深刻な影響をもたらした。
修理の人は今日の午前中に来るのだという。
ところが冷蔵庫から中身を全て出し、せっかくだから隅々まできれいに掃除をしてしばらく経ったら、再び作動し始めたのだ。
ファンの回る音がかすかに聞こえた。
そして冷凍室は明らかに冷気がこもり始めていた。
「一体どうなってるのよ」
とパニックを起こした母を見捨てて仕事に出かける。
いきなり夕方。
本屋に入り色々冷やかしていたのだが、なぜか一冊の本に激しく心を奪われた。
“不肖・宮嶋”でおなじみの宮嶋茂樹が書いた「ネェちゃん撮らせんかい!」
戦火の跡生々しいボスニアに赴き、「美女図鑑」の撮影を敢行するという本。
不肖・宮嶋のレポートは以前から読んで知っていたが、戦場レポートとしてではなくあくまでも「きれいなネェちゃんおらんかな」というスタンスでボスニアに赴いたというところに激しく心動かされた。
視点が「日常」なのだ。
小難しい理屈や政治がいっぺんに吹っ飛んでしまう。
実際ページをめくってみるとそのリアリズムには圧倒された。
ウケねらいで不謹慎なことをやっているという感じではないのがすばらしい。
美女と、戦場と、民族問題がそこにあるのだ。
久しぶりにガツンとやられた。これぞルポ。
たぶん30年くらい経って、歴史学の一分野としてボスニア紛争をテーマとするならば、参考文献としてこの本はまことに興味深い資料となるだろう。
うちに帰りショックのあまりカップ焼きそばなんてもんを食い、8時半からワールドカップのイングランド対アルゼンチン戦を見た。
またショックを受けた。
ボールが口の中に入れたドンパッチみたいにあっちこっちに跳ねる跳ねる。
ボールをまわす時、目で見てないのが凄かった。
世界だ。
イングランドが鉄壁の守りでアルゼンチンに勝ち、ベッカムは見事フランス大会の雪辱を果たした。
4年は人を大人にするのだ。
しかし、今大会までにカミさんと離婚しているという予想ははずれたな。