大変さゆえにあっという間だ

 二日目。
 10時からダメ出しをし、本番に備える。
 今回の公演は本当に時間がない。
 時間のなさもまた善し悪しで、芝居に追われるようにして公演本番に臨めばそれはそれでいろいろなメリットがあるものだ。
 一番のメリットはやはり、余計なことを考えなくていい、ということだろう。

 「ハコブネ」は回をこなす毎に安定感を持つようになってきた。
 安定感というよりむしろ、各役者の精神が「空っぽ」に近づいたのだと言えるかもしれない。
 これがロングラン公演だったりしたら、まだまだ一山ありそうだが、公演は明日で終わるのだ。
 早い。短い。
 しかし、一日あたりの4ステージは、やはり長い。

 照明・音響オペレーターも大変だ。
 一日4ステージ分のきっかけを処理しなくてはならないのだ。
 ハードな仕事だ。

 昨日、オペ室に毛布を敷いて、阿部さんや宇原君など体調の悪い役者が出番のない時に寝ることのできる寝床を用意した。
 が、狭いオペ室にウイルスが蔓延する結果となってしまい、昨日の夜は照明オペの中山君が寒気を訴えていた。

 まるで囚人護送列車でシベリアに運ばれているような公演だ。

 「虻一万匹」にて、ラストシーン近くでトモミゴロが小道具の「歯」を持たずに登場してきた。
 「なぜ持ってこないのだろう。何かトラブルがあったのだろうか。まあ、なきゃないで何とかしてみよう」
 そんなことを考えながら芝居をしていると、途中で彼女は袖に引っ込み、「歯」を持って再登場した。
 忘れてたらしい。

 回数をこなすと同時に疲労度は増し、細かいミスに対して慌てなくなってくる。
 これはいいことかもしれない。

 終演後、「和民」にて飲む。
 二日間で8ステージはきつかったが、もう全体の3分の2を終えてしまったことになる。
 一抹の寂しさも感じる。

 1時帰宅。

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