初日、インフルエンザ蔓延す

 公演初日。
 朝の8時に実家を出る。
 舞台装置に使う椅子が必要だったので、パソコン用の青い椅子をバラしてカートで運ぶ。
 本当は小金井の自分の部屋で使っている椅子を持っていこうと思ったのだが、色が違うので実家の椅子を借りた。

 劇場入りしてから昨日のゲネプロについてのダメ出しをする。
 役者間にインフルエンザが蔓延し始めていて、阿部さん、宇原君の体調が悪そうだった。
 阿部さんにいたっては今朝体温を測ったところ39度もの高熱を発しており、急遽病院に寄ってから劇場入りするということになった。
 1時開演。

 初回の「ハコブネ」にて、やはり阿部さんの声と体調は回復しておらず、痛々しい感じがした。
 楽屋は次の芝居の準備であわただしい。

 3本目の「ロミオとジュリエットみたいな」あたりから役者の堅さがとれてきた。
 ギャラリーで観ていてそう思えた。

 今回、ゲネや場当たりなどに費やす時間が少なかったので、本番中もワイヤレスマイクを使って音響・照明のオペレーターに指示を出した。
 自分の芝居の本番を観るのは初めてだったのだが、ただ観るだけというわけにはやはりいかない。

 楽屋で気付いたことを役者に伝えては調光室に戻る。
 その繰り返しをするうちに、あっというまにラストの「ハコブネ」

 一日4ステージもの回数をこなすと、役者の潜在能力を急激に開発するのだろう。
 細かい部分ではなく全体をつつむテンションみたいなものが「やけくそ」に近づき、芝居のカドがとれてきた。
 ほんの少しだけほっとする。

 公演終了後、初日打ち上げに行く。
 劇場近くの「魚民」
 おなじみの店。

 慌ただしさにかまけていたが、稽古開始の2002年10月21日から数えて本日で84日目。楽日は86日目だ。
 つまり、稽古期間全体から考えると、本番はわずか3%に過ぎないのだ。
 凝縮された3日間、というわけか。

 1時近くに帰宅。
 何も考えず、シャワーを浴びてすぐに眠る。