ワークショップ

 首都バグダッドにこもる市民達は市街戦を辞さない覚悟を見せている。
 第2次大戦の時のように市民に多大な犠牲を強いるであろう爆撃が出来ない今回の戦いは、ひょっとするとこのまま膠着状態に陥っていくのだろうか。
 砂嵐もすごいらしい。

 イラクに”不詳宮嶋”が行ってるらしい。
 大川興行の大川総裁も行ったらしいし、江頭も北朝鮮に行ったらしい。
 「えらい」とまでは思わないが、自分の道に命を張っているというところは否が応でも認めなければと思う。

 朝10時過ぎ劇場入り。
 今回の芝居をもとにしたワークショップをする。
 マグネシウムリボンの松本望月両君にご足労願った。
 午前中は今回の稽古初期に下剋上の面々とマミちゃんで行ったインタビューのエチュードを繰り返す。

 午後になってから今回の台本に即した一つのシーンを考えていく。
 女4人芝居なのに参加希望者は男性ばかりという状況。
 必然的に紅一点の参加者である山脇さんに比重が偏る。
 大田君という演出志望の男生とペアを組ませ、今回の芝居においてマミちゃんが演じている役の葛藤を変形させて、まったく別の芝居を作っていった。
 途中、山脇さんの感情に歯止めが利かなくなり、相手役の大田君への罵倒が止まらなくなったりした。
 急ブレーキをかけたが、ひやりとした。
 マグネシウム旗揚げから現在に至るまで数多きエチュードをしているが、たまに感情のエアポケットにはまることがある。
 芝居に役立つと判断できる場合以外は、なるべく止めるようにしている。

 夕方5時半に終了。
 曲がりなりにも一芝居をごく簡単に作ったので、一応予定はこなしたことになる。
 マグネシウムの松本望月両大兄には大変世話になった。

 夕方7時から「動物大集会」ゲネ。
 音響と照明のオペは両方とも菊地さん。

 大きなミスもなく終えた。
 大気圏までは何とか来たという感じだ。
 あとは宇宙の問題なので、ここの役者のモチベーションをそれぞれ高めてほしいところだが、そういう時の指示は本当に難しい。
 観念的というよりは禅問答に近い駄目出しになってしまう。
 「芝居をやっている時、切なくなるくらい役と一体化するようにがんばってみてよ」
 と言ってみた。
 それは役者をやる時の、俺自身の課題でもあったりするが。

 9時半に劇場を出る。
 外は雨。
 暖かかった昨日に比べてずいぶんと寒い。
 そういえば昨夜はストーブをつけず、毛布と布団一枚だけで眠った。
 朝、凍えて目が覚めた。
 冬が追いすがってきて、右肩を鷲づかみしてきたみたいだ。

 10時半に実家へ。
 古尾谷雅人自殺。
 驚いた。