「木下恵介の遺言」読了。
父は東映映画が好きで、母は松竹映画が好きだった。
母はテレビの「木下恵介アワー」がとても好きだったといっていた。
「あれで近藤正臣のファンになったのよ」
とのことだ。
父は東映時代劇とヤクザ映画の信者で、もっぱらアクション映画好き。
他には黒澤明の「用心棒」「椿三十郎」が好き。
先日ビデオで阪妻主演、木下恵介監督の「破れ太鼓」を実家で見たが、阪妻と聞いて身を乗り出して観ていた父はやがて眠ってしまい、新聞を読んでいた母は途中から話に引き込まれて最後まで見ていた。
木下恵介監督の映画は塚本家においてそのように受け入れられたのであった。
夜、実家へ。
父が殻つきの牡蠣をどこからか買ってきていた。
ドライバーとかなづちで殻を開けようとしていたので、殿中・松の廊下における浅野内匠頭をとどめる如くたしなめ、牡蠣殻をこじ開ける任務を代わった。
バターナイフで貝柱をこそげ取るようにすると、思いのほか簡単に貝が開くのだ。
久しぶりにローストビーフを作って食べた。
塩胡椒だけの単純なもの。
にんにくや赤ワインを使ったり、やり方は色々あるのだろうが、塩と胡椒だけが一番肉の味がする。