入道雲を見た。
夏に入道雲を見るのは、とても久しぶりのような気がする。
ここ数年は、東京で入道雲をあまり見なかった。
暑い夏も、そうでない夏も。
今年は紛れもなく暑い夏だ。
7月がもうすぐ終わるが、夏の夏っぷりに成績をつけるとしたら、今月は優等生だった。
<よくできました>のハンコを押してあげたい。
8月もその調子で頑張るように。
夕方、高円寺の商店街を通り抜け、大和地域センターへ。
稽古には間があったので、待合室で本を読む。
本日より、久保田君が稽古に参加する。
阿佐ヶ谷南南京小僧の本番が終わったばかりで、体が締まっていた。
彼は今回、豚肉さんを演じる。
身も蓋もない役名だ。
だけど、彼とのシーンで「豚肉さん」という台詞を言うのが、嬉しくて仕方ない。
久保田君とのシーンを先に作る。
そのあと、出来ている台本シーンを通す。
終わってみて愕然とした。
ページ数に比して時間が長い。
1時間10分くらいのつもりでいたのに、終わってみると1時間30分を優に超えていた。
つまり、残された時間はそんなにないということになる。
2時間越えはどうしても避けたい。
通し自体はまだ雑だった。
今週の稽古でこつこつ作った細かい部分は、当たり前のようにこなし切れていなかった。
まだまだ、だ。
稽古後、久保田君初参加ということで、高円寺にて飲む。
今日は金曜日だから、俺も酒が飲めるのだ。
途中、不動産屋の前で片桐が物件を眺めていた。
「この辺いいですよね」
実は俺も高円寺に住みたい。
早稲田通りを越え、中野区大和町あたりならば、家賃も安くならないだろうか?
芝居が終わったら引っ越しだ。
本当に?
綾香がチーズケーキを作ってきた。
「今日は全員揃うかなと思ったんですけど」
あいにく、今日は三代川と直美さんが休みだったのだ。
しかし、稽古で出ずっぱりの俺は稽古場で食べることができず、居酒屋にて弱いスライムみたいに引力に負けてどろどろになったチーズケーキを食べた。
おいしかった。
飲みにはあまり来ない松井さんも来た。
のどかに飲む。
夜12時過ぎ帰宅。
シャワーを浴びてしばらくは正気を保っていられたが、2時を過ぎるともう体力的に起きていられなかった。