声枯れ対策

 朝、衣装の洗濯をしたものの、乾かす暇がなかったので、手に持って劇場入り。
 そしてびりびりに破れた所をふたたび繕う。
 繕いが終了してからすぐマラソンをする。
 外は涼しかったが、むしろ一昨日よりよく汗が出た。
 赤羽まで往復。おそらく4キロ強か。

 汗をたっぷりかいて劇場に戻る。
 体が軽く感じられた。
 やはりアップをしないとダメだなと強く思ったのだが。

 2時にマチネ開園。
 喉の調子が良くなかった。
 つぶれるまではいかないが、かすれ気味になっていた。
 マラソン直後には軽く感じられた体も、飛んだり跳ねたりすると急に重くなった。
 状態は、ガソリンが切れかかった時のバイクに似ていた。

 しかし、幸いなことに声が出ないという状態ではなかったので、とにかく台詞をきちんと伝えることに専念する。

 終演後、尾池さんと金高さんに、
 「声枯らしました?」
 と聞かれた。

 ソワレまでの3時間あまりを、ひたすら喉の養生に努めた。
 うがいをしてから喉スプレーをし、首にタオルを巻いて冷やさないようにする。
 疲れていたが、眠ると筋肉が強ばるので、起きて地道にストレッチや呼吸などをした。
 そして、とにかく黙って、喉を使わなかった。

 黙っていると集中力が高まる。
 養生のせいか声の調子はやや良くなり、沈黙効果でソワレはかなり集中できた。
 もっとも、黙っていれば誰でも集中できるわけではなさそうだ。
 楽屋で皆と喋ることでリラックスし、実力を出すタイプもいる。
 そういえば、ナーヴァスになるタイプはこれまで見たことはない。
 ナーヴァスになってもあまり利点がないからだろうか。
 それとも、淘汰か。

 終演後、魚民で飲む。
 かわずおとしの小田切君くる。
 明日はバラシがどのくらいかかるか不明だし、俺も朝の運転があるから酒は飲めない。
 なんとなく、別れの杯気分で今日の酒を飲んだ。
 デザートのパフェまで勢いで頼んでしまった。
 パフェは普通の味だった。

 久保田君、小田切君、マミちゃんと3人で飯田橋経由で帰るが、東西線の終電が終わっていた。
 仕方なくJRに乗る。
 武蔵小金井行きをつかまえることができ、1時過ぎに無事帰宅。

 明日は4時入りなので、たっぷり寝られるはずなのに、なぜか気が高ぶって寝られなかった。
 「幻想水滸伝2」までついついやってしまうほど、行動に見境がない夜を過ごしてしまった。
 結局、明け方の5時就寝。
 むしろ気絶。