花粉の季節

 少しずつ、暖かくなっているようだ。
 2月上旬を乗り切れば、春が近いという感覚がある。
 そろそろ花粉がやってくる。
 昨年、猛暑の日差しをたっぷり浴びたおかげで、スギの葉はまるで、実るほど頭を垂れる稲穂の如く垂れ下がっている。
 出撃準備は整った。討ちてしやまん。

 とはいえ、症状は毎年それほど重くはない。
 一番花粉の飛散量が多い一週間を乗り切れば、マスクなしでも生きていける。

 初めて花粉によって眼の痒みを意識したのは、今から15年前の春だった。
 くしゃみより、眼の痒みが気になってしようがなかった。

 これまでにもっとも飛散量が多かったとされるのは1995年だが、確かにあの年はくしゃみなどに悩まされた記憶がある。
 あとは、1997年、2000年、2002年が自分にとってわりときつかったようだ。
 体調との因果関係もたぶんあるだろう。

 やたらと鼻をかんだり、くしゃみをしたりすると、それが鼻粘膜を刺激することになる。
 だからますます鼻水が出て、くしゃみは止まらなくなる。
 だから極力そういうことは控えた方がいい。

 だが眼の痒みだけはどうにもならない。
 耐えられない時は目薬をさすが、これもなるべく控えている。

 飛んじまったもんは仕方ない。
 適当にやり過ごすことができればそれでいいや、と思っている。

 アレルギーとのつき合いは、中1の時からだ。
 小5の時に小児喘息にかかり、公害病患者の認定証までもらったというのに、中学に上がった途端まったく発作が起きなくなった。
 ところが、それからなぜかそばが食べられなくなってしまった。
 食べると口の中に蕁麻疹ができ、のどが痒くなる。
 そして、胃が重くなり、吐き気を催すのだ。
 そばアレルギーというやつだ。
 食べたいのだが、食べられない。
 そのまま現在に至っている。

 とはいえ、駅前の立ち食いそばなどは、そば粉の含有量が少ないため、食べても何ともないことが多い。
 カツ丼セットなんてものを頼むと、そばの小鉢がつくことがあるのだが、もったいなくて食べたりするのだ。
 多少のどが痒くなるけど、そのあとは特に何ともない。

 そば粉が多いと、胃が重くなる。
 たぶん、食堂や胃壁がアレルギー反応でただれ、そこに消化液が触れることで、胸焼けのような症状が起きているのだと思う。
 これが大変辛い。

 昔はそば殻の枕で寝ただけで、眼が真っ赤になったものだが、最近はなんともない。
 体質が変わってきたのだろうか。