食べる作品

7時に起きて、コロッケとソーセージを食べた。
昼までダラダラし、ふと思いついて、近くの「すえひろ」でランチを食べることにした。
メンチカツを頼んだ。
肉汁が染み出す、かなり旨いメンチカツだった。

2時過ぎ、自転車で大久保通り沿いのRAFTへ。
ソラリネ観劇。
「12人」で共演した遠藤さん客演。

和菓子屋をやっている古い家に、何年ぶりかで家族が集まる話。
是枝裕和監督の「歩いても歩いても」を連想させた。
遠藤さんの役は無職の長男。
パチンコばかりして家の仕事を手伝わないスーダラ男だった。
妹のバイト先であるコンビニの副店長が、この家の兄弟の元カノ。
で、今は別の兄弟と、つきあってるような、いないような、という関係だった。
副店長と、バイト仲間の男の子が、作品のカラーにとても合った芝居をしていた。
兄弟が実は血のつながりがなく、連れ子同士の確執があることが明らかになっていく。
家族の崩壊を穏やかに描いた芝居だったが、オレはそれほど悲惨な話には思えなかった。
家族というものを信じていたせいで、家族を崩壊させてしまった話、と、逆説的に見てしまった。
いっそ、家族になんの幻想も抱かずに暮らしていたら、よい家族になったのかもしれない。
いい脚本だなあとしみじみ思った。

遠藤さんにあいさつし、スーパーで買い物をして帰宅すると、もう薄暗くなりかけていた。
6時だった。

久しぶりにウイスキーを買った。ホワイトホース。

昨日に続いて、夕飯に餃子を焼いて食べる。
「開高健のいる風景」を読んだせいだ。

ヘミングウェイを読んだら牡蠣とか食べたくなるし、椎名誠を呼んだらカツ丼が食べたくなる。

村上春樹のエッセイでステーキのことを書いたものがあり、あれを読んだら数日はステーキのことで頭がいっぱいになる。

変わったところでは、小津安二郎の書き残した日記を読むと、カレーライスが食べたくなる。
カレーが好きだったらしい。

今日見た芝居は、素麺を食べるシーンがあったが、あまり旨そうじゃないのが残念だった。
「歩いても歩いても」だと、トウモロコシの掻き揚げが実に旨そうだった。

次の芝居では、カップ麺を丁寧に作り、美味しそうに食べる場面を作ってみようか。