眠い眠い

 目覚まし時計が鳴る前に目を覚ました。
 起きた瞬間、
 (眠い)
 と思った。
 なぜ体は目覚めたのだろう。

 着替えをしながら湯を沸かし、純粋に目を覚ます目的でコーヒーを淹れた。
 そして飲む前からわかっていたことだが、眠気は去らなかった。
 真剣に目を覚ましたい時に、コーヒーは期待を裏切る。
 メダルを獲ってくれない。

 体調のせいなのかよくわからないが、一日中眠かった。
 昼過ぎに池袋へ行ったが、丸の内線の車内で眠りこけてしまった。

 カート・ヴォネガット『パームサンデー』を借りる。
 『ヴォネガット大いに語る』の続編だ。

 ヴォネガットが自作の中で自分のことを語るスタイルは『スローターハウス5』以降に定番となった。
 読者は小説に入る前に、ヴォネガット独特の長い前説を拝聴する。
 ところがこの前説がとびっきり面白い。
 ああも面白い前説を書く作家は他にいない。
 『ヴォネガット大いに語る』や『パームサンデー』は、いってみれば前説部分のみで構成された作品集ともいえる。

 夕方、実家へ。

 やはり体調は悪い。
 眠くて仕方がない。
 正確に言えば、眠気とはちょっと違う。
 頭が、めまいと酔いの中間くらいの状態にある。

 風呂にゆっくりつかってリラックスを試みた。
 それで気分は幾分良くなった。
 早めに寝る。