C64

 雨。
 そしてそれほど寒くない。
 冬はもう終わりといっていいだろう。
 永久にさよならしたいが、悪は滅びぬ。

 夕方、新宿ロッテリアでマグの会議。
 次回公演の話し合い。
 仕事の分担をして終了。
 話し合いの後半から頭がボーっとしていた。
 風邪だろうか。

 この日記に何度か書いたが、子供のころ初めて買ったコンピュータは、C64(コモドール64)というアメリカのパソコンだった。
 こいつは日本での販売を早々に打ち切られたため、ユーザーはソフトウェアの飢餓状態におかれた。
 海外では世界で最も売れたコンピュータとして名を馳せた。

 C64のエミュレータがあり、時折いじって遊んでいる。
 海外のC64ファンサイトは無数にあり、ゲームやユーティリティプログラムをダウンロードできるところもある。
 ハードの限界まで性能を引き出したプログラムは、見るだけでも楽しい。

 うわさによると、C64専用のブラウザまであるらしい。
 ファミコンでインターネットを見るようなものだ。

 C64とファミコンは、同じCPUを使っている。
 出た時期はファミコンの方が新しい。
 グラフィックの性能はファミコンの方が上だったと思う。
 ドット単位で指定できる色の数はファミコンの方が多く、画素も細かった。
 音に関していえば、今でも熱狂的ファンがいるくらいC64のサウンドチップはシンセサイザーとしてちゃんとした機能を持っていた。
 今聞いても音はすごいなと思う。

 ファミコンはゲーム専用機だったから、ユーザーのプログラマーは育たなかった。
 C64は使いにくいBASICしか持っておらず、その性能を発揮させるにはマシン語を使うしかなかった。
 だが、頑張ればそれだけ応えてくれるマシンでもあった。
 ユーザーを育てるパソコンだったといえる。

 育ちそこなった自分は、時々エミュレータでC64を動かしている。
 最近はデモばかり起動して、これがあのC64かと、20年前の自分を思い出しながら悦に入っている。
 この画面だけ20年前にタイプスリップさせてみたい。