見事な聞き手

新宿にて、4月に競演した優希くんが出演する芝居を見る。
『志士たち』
シアターサンモール。
舞台設定は幕末。
彼女は遊女の一人を演じていた。

冒頭、吉田松陰が黒船のメカニズムを説明するシーンがあった。
どこかで聞いたことのある台詞だと思った。

松陰斬首のシーンで謎が解けた。
『おーい竜馬』の台詞を引用していたのだ。
マンガでは、黒船のメカニズムは佐久間象山が言っていたが。

夜、キャベツとソーセージのスープ、ジャガイモの煮っ転がし、かぶの浅漬け、近所の豆腐屋で買った豆腐などを食べる。
野菜中心であっさりしたものばかりだが、このところそういう食生活を続けているせいか、お肌のコンディションがすこぶる良い。
風呂上がり後のほっぺたが『天才バカボン』のハジメちゃんの如くつやつやである。

12時からJ-Waveで、岡田准一のラジオを聴く。
この番組は3年ほど前から続いている。
各界のエキスパートを招き、テーマに沿ってお話を聞くというコンセプトだ。
人選はかなりマニアックで、聞き手を選ぶ専門的な話になることもあるらしい。

3年前に初めて聞いた時のゲストは橋本治だった。
テーマは忘れたが、橋本治は手加減せず深いところまで話していた。

今日のゲストは、いっこく堂。
初めのうちはぎこちなさを腹話術でごまかしていたが、後半になるとものすごく能弁になって、色々なことを喋っていた。

理由は、岡田君の見事な<聞き手っぷり>にあったのではないかと思う。
自分が話すより相手に話をさせる基本スタンスを維持し、意見は述べるが固執はせず、かといってイエスマンにもならず、絶妙なタイミングで相づちをうち、相手の言いたいことを短い言葉で補足する。

正直、舌を巻いた。
会話の内容をそのまま活字にすれば、素晴らしい対談集ができあがるだろう。

ジャニーズ系の歌が決してかかることのないJ-Waveで、なぜ岡田君がこの番組をやることになったのかは謎である。
しかし、人文・科学・芸術の第一人者から差し向かいで話を聞くという経験が彼にもたらしたものは大変大きいのではないだろうか。