祭りの季節

朝起きて、納豆とご飯を食べた後、また寝た。
そのまま昼の3時過ぎまで寝ていた。

起きてインスタント麺とライスを食べ、自転車で稽古場に向かった。
本日の稽古場は江古田。
日大通りから中杉通りを経て、新青梅街道を東へ。

沼袋のあたりで住宅地に迷い込んだ。
方角の見当をつけ、なんとなく北東方向に走っていたら、祭りにぶつかった。

祭

夜店の明かりが煌々として、目に映えた。
写真を数枚取り、稽古場へ。

6時少し前に稽古場到着。
着替えて、ジョギングに行く。
新江古田駅方面に向かって坂を上り、途中住宅地を右折する。
またしても祭りにぶつかった。
さっきよりも、小さな祭りだった。

今日は色々なところで祭りをやっているようだ。

生まれ育ったのが新興住宅地だったので、秋が祭りの季節だという感覚がぴんとこない。
町内会のスタッフ連が寄り合って、
「今年もお疲れさん」
などと労いの酒を酌み交わしているのを見ると、うらやましく感じてしまう。

川越街道まで往復。
8キロ前後だろうと見当をつけた。

着替えのTシャツを忘れてしまったので、稽古場の扇風機で乾かし、素肌にジャージで稽古をする。
稽古は、返しがあまりない。
自分の役はほぼ<お任せ>状態なので、思いついた演技をやってみながら、
(こいつはどういう人間だ?)
などと考えていく。
設定に色々穴があるので、それを埋めるのはキャラクターしかあり得ない。
リアルな人物造形は、すればするほど芝居をつまらなくさせるだろう。
ということは、デフォルメしかない。

どこをどうデフォルメするかが、本番までの考えどころだろう。

10時稽古終了。
帰り道、江古田通りで満月を写真に撮る。
シャッター速度を速めにして、うさぎを捕まえる。

iPodのヘッドフォンが壊れたので、急遽TSUTAYAでソニーのヘッドフォンを買う。
耳へのフィット感が優れていたが、音がクリアーになったせいか、前よりも低音が効いてないような気がした。

11時半帰宅。

カマンベールチーズを食べる。
十勝のシリーズ。
このシリーズのカマンベールチーズがとても好きだ。

だがこういう食べ物は、少しずつ食べるのがいい。

9年前のことだ。
学生時代の知人である清水君が、今の嫁さんとうちに遊びに来ることになった。
その頃、色々へこむことが多かった自分に、彼はおみやげを買ってきてくれた。

あんきもの缶詰500グラムであった。

少し前に彼と電話で話した時に、
「最近、コンビニに売ってるあんきもの缶詰が好きでな。あれを肴に酒を飲むのが日課になってるんだよ。だけどほんの少ししかなくてさ、ビールひと缶でなくなっちゃうんだよ。それに高いしさ」
と、ダウナー気味に愚痴ったのを覚えてくれていたのだ。

それまでのコンビニ缶で25グラム程度だったのが、いきなり20倍の質量となって目の前にあるのは、圧倒されてしまうものがあった。
中身をあけて深めの皿に盛ってみる。

多い。

パテというかホルモン系というか、そちら系の色合いで、缶詰の円柱状に固まって皿の中で転がっていた。
一言でいえば、グロテスクであった。

ポン酢を小皿に用意し、少しずつ食べてみた。
味は、悪くない。
旨かった。

だが、

(あんきもをたくさん食べてみたいと思っていた昨日の自分は、なんて幸せだったのだろう)

と、芥川竜之介『芋粥』の貧乏貴族みたいなことを生まれて初めて思った。

それ以来9年間、あんきもを食べていない。