スーツ姿の見知らぬ男

朝、トーストとコロッケ、トマトスープ。

日に日に疲れが溜まっている。
仕事帰りの稽古生活は別段いつもと変わらないはずなのだが、寒くなってきたせいだろうか。

久々に「とんがらし」の天丼食べる。
厨房でおっちゃんとおばちゃんが仲良さそうに話していたが、夫婦なのだろうか。

夜、弦巻で稽古。
ネットで地図を調べ、駅からおよそ10分歩いた。
昔バイク便時代に配達で来たことのあるマンションの隣にその建物はあった。
笑顔で扉を開け、
「おはようございまーす」
と挨拶しながら中に入る。
見知らぬ顔が一つこちらを見た。
見学者かなあと思いながら別の顔に視線を移すと、別の顔も見知らぬ顔だった。
よく見るとその場にいる顔はすべて見知らぬ顔だった。
とっさに、
「すいません間違えました」
と謝り外に出る。

電話で宮内さんから稽古場の名前を聞き、徒歩で移動する。
移動しながら、さっき間違えて入った稽古場にいた団体のことを思う。
スーツ姿の男がニコニコしながら突然入って来たのは、相当気味が悪かったろう。

15分ほど歩いて正しい稽古場へ。
小一時間ほど自分のシーンを稽古してもらう。
悪さを<出そう>としてしまうが、むしろ<隠そう>とするくらいがいいんだろうなと思うが、難しい。
自分の中にある<悪の部分>をほじくりかえしていくと、目つきが悪くなっていくのを感じるが、気分も同時に悪くなる。

案外、本人は自分が悪者だとは思ってないかもしれない。
もっと別の何かに見せたがっており、結果的に悪に見られる、そういう人物か。

稽古後、先週末に誕生日を迎えた演出を祝うため、駒沢大学駅近くの魚民で飲み。
各人の演劇観、色々拝聴できて面白かった。

12時半帰宅。