ほっとして明日また悩もう

朝9時起き。
カレーピラフを作って食べる。

原発のニュースばかり気になる。
3号機から白煙が立ち上った。
ヘリ放水が開始された。
一つ一つの作業にどのような効果があるのか、詳しいことはわからない。
専門家に任せ、吉報を待つ以外にできることはない。
少しでも明るい情報が含まれていないか期待して、ついニュースを追ってしまう。
発信される間隔は短くなく、現場が膠着していることが察せられる。

夜、西荻のロック食堂で夕食。
淺井カヨさんの『蓄音機の宵』という催しがあった。
手回し蓄音機で、戦前の78回転SP盤を聴く。
本物の蓄音機の音を聞くのははじめてだ。
電気を使っていないのに、音は驚くほど大きかった。
針は鉄針を使い、摩耗するため一曲ごとに交換する。
そしてゼンマイを巻く。
空気を震わせて、そこで音を生み出しているというようだ。
再生機というより、楽器に近い。

薄暗い店内で、秋田料理のきりたんぽ鍋を食べる。

「テネシーワルツ」
「スターダスト」
藤山一郎の歌。
ディック・ミネの歌。
タイ国のSPレコード。
ボレロ。

色々聴く。
竜宮城にいるような心地だった。

ほっとすることができたのは久しぶりだった。
地震から6日経ち、予断を許さぬ情勢が続いているが、一日の終わりに、自分自身をほっとさせることができると、明日があるような気持ちになってくる。
明日また悩もう。