探し物が見つからない

朝、気がかりな夢から目をさます。
気がかりも何もなく、友達がAV男優になっている夢だった。
相手がなぜか蜷川実花だった。
(がばっ)
という感じで布団から起きあがり、純粋に肉体的な吐き気を覚えたので、うがいをして水を飲んだ。

(どういう意味だろう?)

意味はわからないが、無意識から材料を得て、夢というものは作られる。
材料を得る編集方法が、現在の精神状態を現しているはず。
もっとも、現しているとしても、起きた脳でそれを分析することは不可能だと思うが。

いずれにしても、良い寝覚めではなかったので、布団に潜って二度寝をした。
起きる前に焼きそばを作っている夢を見ていたのだが、二度寝の夢でもそれが出てきて、焦げていた。

11時前に起きる。
着替えて学芸大学へ。
先週も行った千本桜ホール。

1時に着いたので、昼飯に「びぎ屋」でラーメンを食べた。
白醤油が選べた。
スープがとても美味だった。

1時半に劇場へ。
知り合いには会わず。

菊田君客演の舞台を見る。
おいしい場面をもらっていた。
いつまでも20代っぽさを漂わせるところは、強みとなるか、それともアキレス腱となるか、今のところわからない。
案外、爺さんの役をやってみると、面白いかもしれない。

終演後、菊田君に挨拶する。
今年の2月に平熱43度で気になっていた、兜森くんという役者さんが出ていたので、紹介してもらう。
「何度か、拝見しています」
と言われる。綾香がらみだろうか。
その場で来年2月公演の出演を打診し、名刺をもらう。

中野で降りる。
先週、「大勝軒」でつけそばを食べた時、この店に本を忘れた。
正確に言えば、どこでなくしたのか検討がついていないのだが、可能性として「大勝軒」もあり得た。

店員さんに、
「すみません、先週、本の忘れ物、ありませんでしたか?」
と聞くと、
「ハイコレデス」
とハンカチを渡された。

「なんでやねん」
と魂レベルで言い返しそうになったが、気合いで押しとどめ、
「いえいえ、ハンカチではなく、本を忘れたのです」
と紳士的に言い直す。

別の店員さんがやってきて、
「ちなみに、何という本ですか?」
と聞いてきた。
「村上春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』です」
「2階にあるかもしれないんで、見てきます」
親切に事務所まで調べに行ってくれた。

しばらくすると店員さんが降りてきて、
「これですか?」
と文庫本を見せてくれた。
『1Q84』だった。

「あー…、違うんですよ。じゃあ、たぶん誰かに持って行かれたのかもしれませんね」
「すみません」
「いいんです。わざわざ探してくれてありがとうございました。また来ますので」
そう言って店を出る。

丸井に寄る。
先週と同じコースだ。
商品券を7000円分持っているのだが、使い道が難しい。
靴も服も鞄も、欲しいものは、微妙にその値段より高いのだ。
現金を足してまで欲しくはないという微妙さ。
結局何も買わずに出る。
これも先週と同じだ。

ブロードウェーに行く。
喉が渇いていたが、小腹も空いていた。
地下のソフトクリーム屋で、ラムネとブドウのソフトクリームを食べる。

1階に上がり、スーツを見る。
紺のスーツが欲しかったのだが、気に入った感じのものは見つからず。
PCショップでキーボードを探すが、気に入ったものは見つからず。

本も、欲しいものも、買いたい物も、何も見つからないまま、中野を後にした。

夕方6時帰宅。

Youtube用の映像編集をする。
一度始めると、途中でやめられない。
どこまでやったか忘れてしまうからだ。

7時に夕食。
雑炊を作って食べる。

兜森君にメールをする。
好感触の返事を得た。
来週、話すことになった。

シャワーを浴び、明日のことを少し考える。
やはり、本棚とチェストの整理をしなければならないだろう。
スーツ探しに、吉祥寺へ行くかもしれないが、それはまだわからない。
気まぐれに電車に乗って、適当にどこか遠いところへ行って、街をうろうろして帰るということをするかもしれない。
まだわからない。
未来はいつだって未定。