11時起き。
まいばすけっとで買い物。
冷凍ピラフと、レトルトのカレーを買う。
学生時代、生協の脇に「茶夢」という喫茶店があり、そこではテイクアウトでお弁当を頼むことができた。
まずご飯かピラフかスパゲティを選べる。
それにソースをかけるのだ。
ご飯とカレーソースなら普通のカレーライスになる。
スパゲティにトマトソースならミートソースだ。
トッピングにコロッケも選べた。
「コロッケピラフのカレーの大盛りください」
そう注文すれば、ご飯部分がピラフの大盛り、それにコロッケをのせ、ソースがカレーというお弁当が出てきた。
だから、ピラフにカレーをかけて食べると、自動的に学生時代を思い出す。
この「茶夢」は、所属していた演劇研究部では評判が悪かった。
「辛い」「しょっぱい」「ご飯が固い」
などなど。
ところが、クラスメートには評判がすこぶるよろしかった。
俺は、どちらかといえば、いやかなり、クラスメート寄りの味覚であったので、「茶夢」のカレーやピラフやミートソーススパゲティは、本当に大好きだった。
今はもう、ないらしい。
家に帰り、ピラフをレンジで温めた。
次に、カレーをレンジで温めた。
両方ともレンジで温めれば出来る食品なのだと気づいた。
ピラフにカレーソースをかけて食べる。
そうそう。こういう味だったよ。
4時過ぎにギャラリーがらん西荻へ。
下見をさせてもらう。
今回は、劇場での公演ではなく、ギャラリーでの公演ということで、色々考えてきた。
一番重要なのは、劇場ではないスペースを、劇場のように見せるかどうかということだ。
暗幕を張って、小劇場っぽくするかどうかだ。
たとえば、まったく個性のない、プレハブ小屋のようなスペースに暗幕を張り、パンチを敷いて劇場っぽくすることには、意味があると思う。
だが、すでにギャラリーとしての見え方が完成されている空間を、あえて劇場っぽくする必要はない。
今回はそう考えた。
オーナーさんとお話をする。
設備品、登退場の問題など聞き、実際に椅子を置かせてもらい、色々検討した。
5時にギャラリーを出る。
いったん家に帰ってから稽古場へ。
6時から上荻にて稽古。
追加分台本を渡す。
明日まで、意地でも書いて、完成せねばなるまいなあと思う。
時間の問題ででもあるけれど、座組みの問題もある。
台本は、旗じるしのようなものだ。
行き先や生き方を示すものだ。
脳内にあるフリをしてごまかすのはフェアじゃない。
今、脳内にあるのかと聞かれれば、8割はあると答えられる。
残りの2割がミッシングリンクとなっていて、8割のつながりを阻害しているのだが、脳内にある以上、それは書かれなくてはいけないのだ。
稽古の後、豪介君、ナベさんとともに、荻窪で飲む。
魚民にて。
旧知のノブ君、渡辺宣明君が所用で上京していたらしく、豪介くんが荻窪に呼び出した。
4人で飲み。
ノブ君、すっかり建築屋の顔になっていた。
会ったのは2年ぶりくらい。
柳瀬翼くんとは専門学校時代からの同級生だと聞き、今さらながら驚く。
スマホで動画を撮りながら、翼君に何かメッセージをと言うと、
「おう、バカ。ちゃんとやれよほんとに。久しぶりに君に跳び蹴りがしたいな」
と、ノブ君は言ってのけた。
同期の気安さ。
豪介君とノブ君が帰ってから、ナベさんと2時近くまで飲む。
『テキストファイル』の時から、ナベさんと残るケースが、案外多いなあと気づく。
ノブ君、時計を店に忘れていた。
メールをすると、着払いで郵送してくださいと、弱々しげな返事が来た。