何処で書くか

「ロイヤルホスト」にて台本書き。
家で書くと気が散るのは、机の場所や本棚の場所やチェストの場所、その他雑然と部屋に散る様々な文房具、書類、郵便物、書籍などの総合的位置関係が心地よくないからだと思う。
書く場所、食べる場所、寝る場所をしっかり分けないと、生活にメリハリも出ない。

実家の居間はソファとテレビと、ものすごく昔に買った安物本棚とそこに無理矢理置いているテレビという、センスのかけらもないインテリアだが、そこで読書をしたりノートパソコンで文章を書いたりするのは、とても落ち着く。
実家だからというわけではない。
偶然、自分にとって機能的に優秀な間取りになっているのだ。
その証拠に実家の自分の部屋では、あらゆる作業ができない。
文章も書けないし本も読めない。
せいぜい寝るくらいだ。まさに寝室。

近くのファミレスは、荻窪方面のジョナサン、上井草方面のサイゼリア、西荻方面真西にロイヤルホスト、西荻駅にジョナサンがある。
他にもドトール、VELOCEなどのコーヒー店や、モスバーガー、フレッシュネスバーガー、マクドナルドも駅周辺にある。
外で台本を書く作業を過去三年間やってきて、実績としてもっとも筆がすすんだのが、ロイヤルホストだった。
居心地が特にいいというわけではないのだが、「暮れなずめ街」や「毒薬」などでお世話になった。
徹夜作業になると荻窪のジョナサンをよく使った。
「テキストファイル」や「太一人」や「顔と名前」など。

マックは荻窪も西荻も両方ともうまく書けなかった。
サイゼリアは「顔と名前」で一回使ったが、営業時間が深夜2時までだったので、終わりが近づくとそわそわし、結局うまくいかなかった。

それでも大部分は家で書く。
特に最近になるほどそうだ。

家ではデスクトップパソコンを使う。

前の部屋に住んでいた時は、パソコン部屋と居間を分けていたので、時々居間のちゃぶ台でノートパソコンを使って書いたこともあった。
あの居間が畳だったからちゃぶ台を買ったのだが、今のフローリングでもまだ使っている。

夕方、四宮にて稽古。
稽古前、久しぶりに「アストラーザ」でポークソテーを食べようと思って行ってみると休みだった。
がっかりしたが、北口の「キッチン南海」があいていたので、そこで早めの夕食を食べた。

「友情」「車内」「献血」は、ラストを書くのみという状況。
「張込」という新しい短編を今日は稽古してみた。

先輩刑事と後輩刑事が語る場面をエチュードでやってみた。
自分が先輩をやり、知恵ちゃん、千陽さん、野村さんと順にやっていく。
女性の芝居ではないのだが、フリーでどういう風に会話が勧められるか、相手役になって参考にしてみたかった。
知恵ちゃんは、話がどこへ転がっていくかわからないやりとりになった。
そのまま話を転がしていけば、全然別の話が一本出来るだろう。
千陽さんは設定重視の手堅い感じ。
会話をしながら、今自分が求められていることを探る様子があり、きまじめさを感じた。
野村さんは熟練の将棋指しのように、受けた台詞に対する熟考があった。
上岡君本人に即興をやってもらうと、案外自分からは仕掛けず、相手の出方をうかがうことが多い。

先輩を俺がやるのではなく、上岡君にやってもらい、後輩を俺がやることにした。
出方をうかがう感じを、こちらが感じ取れれば、こちらは仕掛けることを考えればいいし、こちらの仕掛けに対して強く来られても、体格的に大丈夫だと判断した。
凸凹コンビニなるのも面白い。

稽古終了後、10時帰宅。

「作家」という短編に手をつける。
これがラストの作品になるだろう。

問題は初日の本読みの時にしか触れていない「盗難」だ。
美酒蘭(ミシュラン)という幼児が出てくる話なのだが、途中で役が変わったりするのがくせ者。
役が変わるということと、演技をしているということ、そのあたりを「作家」というラストの短編でまとめられたらなと思う。
できれば寝ているうちに勝手に台本が完成してればもっといいのだが。