2014年納品

8時過ぎ起き。
朝飯に鮭、納豆、味噌汁。
そのまま居間で本を読む。

山口猛『紅テント青春録』読了。
以前読んだ時よりもわかりやすかった。
唐十郎の状況劇場に劇団として所属した著者の、主に70年代前半のメモワール。
アングラのトップランナーだった状況劇場が、演劇界を制するまでの歴史ともいえる。
つまり全盛期の記録。
70年代後半は、つかこうへいの時代となり、80年代に野田さん鴻上さんと続く。
社会現象と言われたのは、鴻上さんの第三舞台が最後だったのではないか。
演劇の目的は社会現象になることなのかという疑問はおいておくとして。

昼前、母に買い物を頼まれ、出かける。
お正月に食べるハムと焼き豚の類を捜す。
ロースハム、合鴨スモークを買う。

ケーズデンキでLANケーブルを買う。

昼飯に、マクドナルドとロッテリアで色々買う。
そんな買い方をしたことは初めてだ。

12時半帰宅。
ロッテリアのえびバーガーを食べ、マックのハンバーガーを食べる。
西葛西にマクドナルドができた時の話を両親とする。
父が地図を出したので、昔の西葛西や葛西エリアの地理的な解説をする。
なぜ俺が年寄りに昔の土地のことを教えるのだろうか。

戯曲『オイディプス王』読む。
メモをとりつつ。

夕方、すき焼き食べる。
年越しうどんやそばの類はなし。

風呂に入り、紅白を見る。
今年はセットにあまり良いものがない。
前半の歌は相変わらず聞き流すが、『東京オリンピック音頭』は良かった。
ひたすら明るい歌詞がいい。高度経済成長期。
後半からぼちぼち面白くなる。
坂本冬美の声を楽しんだりする。
Perfumeは安定感あり、初登場時以来もっとも良いパフォーマンスだった。
神田沙也加の歌を初めて聴いた。聖子ちゃんが涙ぐんでるのが面白かった。
椎名林檎、おもむろに登場し歌う感じが、実に林檎的で格好良かった。
石川さゆりはまたしても天城を越えた。

今年はこのまま紅白を見て終わりそうだ。
色々なことが起こらない一年は、これまで一度もなかった。
2014年は色々なことがあった。
つまり、いつも通りの一年ということになる。
いつも通りの一年。
言葉だけ眺めると、何ごともなかったような印象を受ける。
何年も経ち振り返ると、過去のどの一年もそれなりに色々ある。
そして今となればどの色々も、何ごともなかったと言えてしまう。
今年もまたそんな一年だった。
5年後10年後になってみなければわからない。

人は一年という暦を、12月31日付けで「納品」するんじゃないか?
どこへ? と聞かれてもわからないけど。
一年の終わりに一年を梱包し、西暦もしくは元号のラベルを貼って、荷受けの業者に渡す自分の姿が想像できる。
着払いで。誰が払うのだろう。

中森明菜を久しぶりに見た。
ささやくように話す姿は、健康な人にはとても見えなかった。
歌に導かれてその道を歩んで来た人なのだから、来年は歌によって救われ、元気になって欲しいと思った。

同じように、何かをやっている人は、その何かで救われるような2015年が来るといいな。
いや、救われることを望むのは、大きく求めすぎかもしれない。
ならば、その何かに裏切られたように感じることだけ、起こらなければいい。