体力回復と映画二本

朝、みぞおちのムカムカは消え、お腹の調子はすっかり良くなっていた。
代わりに熱が少し出て、頭がフラフラした。
ウイルスなのかなんなのか見当もつかない。
オレの身体で成人式が行われ、若者達が暴れているのか。
昨日はお腹を抱え、今日は頭を抱える案配だ。
連中は北上しているので、明日は脳天から飛び出して雲になっているだろう。
熱を測ってみたが、大したことはなかった。

今日も休んだ。
むしろ昨日より積極的に、体力の回復に努めた。
ひたすら寝た。

12時過ぎに起きると、体が一段階軽くなっていた。
頭を振ってみるが、なんともなかった。
新成人達は社会へ羽ばたいていったらしい。

午後は、回復した体力を持てあまし、余計なことを考えてしまった。
あれをやらなきゃ、これをやらなきゃ、どこへ行かなきゃ、誰をと会わなきゃ、などなど。

3時過ぎ「戦場のメリークリスマス」を観た。
過去5回くらい観ている。
難解で一般ウケする内容ではないのに、中学生でも感動させてしまう場面が所々にある。
それも大島監督の狙いなのかも知れない。
なにしろ「戦メリ」という略称を、進んで使っていた方だから。

不思議な映画だと思う。
デビッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけし。
それぞれのファンが、彼らだけを見続けていると、いつの間にか作品の中に引き寄せられている。
そして、形容できぬ情動が、自分の中にわき起こるのに気づく。

今日の再見でも同じだった。
息を引き取ろうとしているデビッド・ボウイの髪を、坂本龍一が切る場面。
胸にこみ上げてくるものがあった。
この映画は、この場面が、すべてではないだろうか?

もちろん、ラストのたけしのセリフはいい場面だ。
でもあれは、一般客を、
「戦争はいけないねー」
という方向の感想へと導き、映画が終わる寸前にカタルシスを与え、見て良かったと思わせるための、戦略だったんじゃないか。

教授が、ボウイに敬礼して去る場面。
涙がボロボロ流れて仕方なかった。

6時、コンビニへ買い物に行く。
ちくわ、キムチ、白湯スープのカップ麺を買う。

「刑事ジョン・ブック 目撃者」観る。
昨年の4月にシナリオの本を読んだ時に、お手本とすべしと書いてあったので借りたのだが、その時に録画したまま今日まで観てなかった。

アーミッシュの子供が偶然トイレで殺人事件を目撃したことから始まるサスペンス映画。
刑事役のハリソン・フォードがすごく良くて、母親役のケリー・マクギリスは美しかった。
アーミッシュの生活は、宮崎駿映画に出てきそうだ。

アーミッシュというドイツ系移民の人々についてまったく知らなかったので、途中で映画を止めWikipediaで調べた。
移民当時の生活習慣を続ける宗教コミュニティらしい。
ニューヨークに近いペンシルベニアに、そのような集団が現在もなお存在していることに驚いた。

子供役を演じるルーカス・ハース実に可愛く、陳腐な表現になるが、まるで天使のようだった。
当時7才だったらしいが、現在でも活躍しているようだ。
検索してみたら、小柄なひげ面の顔がヒットした。
目だけ子供の頃と同じで、妙な感じがした。