9時起き。セブンで牛丼を買って食べる。セブンの丼物は具とライスが分かれている。たしかにその方がおいしいが、食べる時に盛るのが面倒だ。
スマホで昔のゲームをプレイする。PCにあったロムイメージを、スマホのエミュレータで実行している。電車に乗っている時にちょこっとやる程度でも、レベルがコツコツ上がっていく。昔、ゲーム機に向かってやっていた時より、一日あたりのプレイ時間は当然短い。だが、クリアすることにストレスを感じない。
今使っているPCは、それまで使っていたマシンの音楽やビデオや写真データを、HDDドライブごと引き継いでいる。中には10年以上前のデータもある。
昔、プレステを持っていたが、CDイメージをパソコンにバックアップしてから、ソフトもハードも捨ててしまった。PCでエミュレーターを動かした方が、場所はとらないし、一時セーブができたりして便利だったからだ。
ゲームに限らず、漫画、CD、VHSビデオなどのデータも、コツコツとHDDに保存し、現物は処分してきた。うちに物が少ないのは、そういうことを繰り返してきた結果による。データ保存しているCDや漫画を、現物に戻したら、棚はパンクするし、保存用のダンボールで押入れも埋まってしまう。ここ数年、物欲がなくなってきたのは、ソフトをデジタルデータ化し続けてきたせいかもしれない。いいことなのか? 悪いことなのか?
モノそのものを所有することには、昔からあまりこだわりがなかった。たとえばビートルズは中学二年生の時からずっと好きだが、アルバムを現物ですべてそろえたことは一度もない。
大学生の時に、かなり性能のいいカセットデッキを、警備員バイトの金で買った。7万円くらいした。それで、借りてきたCDを片端からテープに録音していた。その方が、多くの種類の音楽が聴けた。一人暮らしをはじめた時、カセットデッキとテープを持ってアパートに引っ越した。部屋にはなにもなかったが、カセットテープは何百本とあった。すべてCDで買い集めていたら、いくらかかっていただろう。10万20万じゃきかなかったと思う。
カセットデッキはアイワのダブルデッキだった。アモルファスヘッド、Dolby C と dbx 搭載。デジタル時代の今では、何のこっちゃという機能だ。Dolby Cは、ノイズリダクションシステムのことをいう。Bが一般的だった。このデッキはBの他に、効果の高いCを搭載していた。
ノイズリダクションは、カセットテープ録音につきものの、テープヒスノイズを除去するために必要だった。CDからテープに録音するとき、スイッチをオンにする。再生するときもオンにしておけば、ノイズのない音楽が楽しめた。ただし、他の機器で再生するときに、同じノイズリダクションシステムが搭載されていないと、変に高音が強調された音になったりした。
のちにMDを買ってから、CDからカセットに録音することはなくなったが、持っているテープを再生するために、カセットデッキは使い続けた。やがて、部品の劣化から正常な再生ができなくなり、2003年か2004年頃に処分した。
CDからMDへの録音は、デジタルケーブルで行っていた。デジタル録音は一世代だけ可能だった。カセットテープの音源をMDに移すこともした。一時期、そうやって録音したMDをたくさん持っていた。音をMP3でPCに保存するようになってからは、MDからPCに音の取り込みをした。
やがてitunes storeにはまった。かつてCDからカセットテープに録音したアルバムのほとんどは、データとして買いなおすことができた。こうなると、わざわざ媒体を引き継いでまで持っていた音楽データには、何の価値もなくなる。もともとCDの音を録音したものなのだから。
Google Play Musicなどが提供している聞き放題システムは、アーチスト名を入れて検索すると、大抵の音楽が聞ける。あらゆる曲を持っている状態と、管理と検索サービスを、月額いくらかでユーザーに提供しているのだ。ただし、手に入れた、という感触だけは欠けている。
その感触を生み出していたのは、レコードやCDだった。音楽だけの話ではない。かつてソフトウェアは、目に見え、手にすることの出来るものだった。CDは、ケースから出し、ウォークマンやラジカセにセットして、再生ボタンを押した。ゲームは、箱からカートリッジを出し、ゲーム機にセットし、電源を入れた。映画は、ビデオデッキに入れ、再生ボタンを押した。
ソフトの目的は、五感に訴える状態を作り出すことだ。それが、目に見えて持ち運びできる状態になっていた。そこにはモノの魅力があった。
CDプレーヤーが身近な家電だった時代は、すぐに聞ける環境があちこちにあった。だが今、CDデッキやCDラジカセを持っている人は少ない。パソコンを持っていない人も増えた。CDを買っても、再生するまでがひと苦労だ。
うちには、ドンキで買った安物のCDラジカセがある。一人芝居をした時に使った。普段それでCDを聴くことはまったくない。CDを聴こうと思ったら、パソコンの電源を入れ、音楽管理アプリを起動し、CDドライブにCDを入れ、音を取り込まなくてはならない。取り込みが終ったら、以降そのアルバムはPC上から再生する。あるいはスマホや携帯プレーヤーに移して再生する。CDそのもので再生することはない。
聴き放題サービスに身を置くと、音楽を聴く行為に、モノの介在は必要はないと考えるようになるのではないか。月額料金を払って、聴く体験を買っているという感覚だろう。ライブを見に行くことと、その部分では重なっている。この感覚に馴染むと、音楽は体験すべきものという考え方に、自然と馴染んでいくんじゃないか?
夕方、軽く走りにいく。善福寺川沿いを5キロ。日没時刻が少し遅くなっていた。今月頭くらいがもっとも早かった。5キロは、トレーニングとしては中途半端だ。
風呂に入り、6時に夕食。さば水煮とオニオンスライス、生牡蠣、おでん食べる。キクから、打ち上げ会場の案内が来た。近所なので顔を出したかったが、開始時刻が遅くなってしまったのと、雨が降り出したので、断念する。
2時前に就寝。