海と川、屋台と月

6時半に起きた。部屋は狭く、そんなに綺麗じゃなかったが、大浴場があるのはいいと思った。

7時、ホテルで朝食を食べる。テレビで金足農の特集をやっていた。全然見てないのに見てきた気になり、うっすら感動までしてしまった。

サウナにもう一度入りたくて大浴場に行ったが、サウナ室は夜しか稼働しないようだった。代わりに湯船と水風呂を往復した。

8時にチェックアウトし、昨日夕食をとった物産センターでお土産を物色する。

シーカヤックの体験コースを今日の朝9時に予約していたのだが、海が荒れているので中止という連絡を昨日もらった。代わりに何をしようと考えた末、西の端にある柏島へ行ってみることにした。海がきれいで、シュノーケリングができるらしい。
しかし、シュノーケルとゴーグルを持ってきていなかった。どこかで買えないか調べると、中村のすぐ近くにスポーツショップがあった。寄ってみることにした。

9時開店だった。シュノーケルのセットは割引価格で売られていた。シューズも売っていた。その三つがあれば大丈夫だ。レジの女性店員が研修中の札を胸につけており、文明に初めて触れたかのようにレジ打ちをしていた。

10時に柏島へ着いた。カーナビの音声でいつの間にか着いたことを知った。島は橋でつながっているのだが、渡ったという気があまりしなかった。
車を停め、さてどうしようと考えた。ネットの接続が悪く、島の情報を調べ直すことができなかった。ならば、とりあえず歩いてみるしかない。

橋の下を見ると、白砂の浜にエメラルドグリーンの海水が輝いていた。日本とは思えない色合いだった。シュノーケリングをしている人がいた。しかし、浜はごく小さかった。
柏島の海

ほかに、シュノーケルに向いた場所があるだろうか。島を一周してみた。
エメラルドグリーンのエリアは島と本土をつなぐ橋の周りだけらしく、太平洋に面した側は波が強く、海の色は群青色だった。
港でダイビングスクールの研修みたいなことをやっていて、ウェットスーツを着た人々が後ろ向きに水に入る練習をしていた。
島は、観光地というより、漁業で生計をたてている漁師町という感じだった。観光客は島の規模に比して多かったが、お金を落としていく土産物店や旅館は少なかった。それでも、町の人は車の誘導をし、遊泳している人がブイの外側に出ないよう注意していた。

小さい喫茶店があった。

みっちゃん

黒潮実感センター。
黒潮実感センター

建物は廃校になった中学校校舎を利用していた。
廃校となった中学校

実感ってどんなことするのだろうと気になった。
中に入ると張り紙があった。
黒潮実感センター入口

自分達だけ実感して、オレ達にはさせてくれないのだ。

おそらく、歴代の卒業生が製作したのだろうが、こういうのはきちんとどこかに残した方がいいと思った。
卒業制作

廃墟となった体育館。バトルイベントもしくは、エロイベント以外、何が起こりうる?
使わなくなった体育館

橋の上から眺めた岩場に下りてみた。
柏島の岩場

上から見たのとは違い、水は浅く、そんなに綺麗に見えなかった。シュノーケリングをしたいと思えなかった。
砂浜の方へ行ってみようか迷ったが、時刻はまだ11時だった。他の海水浴場へ移動した方が面白いんじゃないかと思った。

結局、泳ぐことなく柏島をあとにして、足摺岬方面に向かった。その辺りに、桜浜海水浴場というのがあり、人が少なくて穴場だというのだ。

海沿いの道を走った。見事な景観だったが、運転しながら撮影するわけにはいかなかった。だが、先日買った手ぶらスタンドを使うと、写真は無理でも、動画を撮影することはできた。

竜串の「レスト竜串」で昼飯。ジョン万タタキ丼を食べる。かつおのタタキに味噌ダレで味をつけ、天かすを振りかけたものだった。
ジョン万づけ丼

桜浜海水浴場の入り口で車を止めた。浜に向かう途中、竜宮城という旅館の廃墟があった。
竜宮城あと

人っ子一人いなかった。空いているビーチといっても、誰もいないとさすがに面食らう。
桜浜海水浴場

ひと泳ぎしてみたが、水は白く濁り透明度が低かった。木くずや海藻、その他細かいゴミもたくさん浮かんでいた。一昨日台風が直撃したばかりだし、この海水浴場に限らないだろうと思った。
結局、10分かそこいら泳いだだけで海から上がった。

午後2時半だった。日が高うちに四万十川に行ってみようと思った。シャワーで海水を洗い流し、車に戻って着替えた。行く予定は立てていなかったので、どこを目的地にすればいいのかわからなかった。とりあえず、沈下橋のあるあたりまで上ってみようと思った。

昨夜止まったホテルの近くまで戻り、海と反対に向かって川沿いの道を上った。ところが、あるところまで行くと道幅が狭くなり、行き交う車もそこそこあるという状況になってきた。互いに気を配って道幅が広めのところに止まってすれ違ったり、時には片方がバックしたりと、かなり面倒なことになりそうな予感がした。4時になろうとしていた。上流にこだわるのは時間的に得策ではない。車をUターンし、二車線になるところまで戻った。
ちょうどその辺りに駐車スペースがあった。勝間沈下橋のあたりだった。

橋のたもとから川に下りた。台風が来たことで、いつもと比べて川がどうなのかはわからなかったが、十分きれいに見えた。
四万十川

沈下橋で対岸に渡った。その先には、支流の勝間川の水源や、増水した時に見られるまぼろしの滝というのがあるらしい。行ってみようかと思ったが、川の水に触れたりしているうちに5時を過ぎていた。戻る刻限だった。水に触れることができただけでもよしとするべきだった。

車に戻り、ナビを高知市内にセットした。背中に夕陽を受ける形で、車を東に走らせた。

高知市には7時半に着いた。スマホの電池が残り少なくなっていた。どこかに車を止めて、充電できるところを調べようと思い、ファミリーマートに車を止めた。コーヒーを買って出ようとすると、イートインにコンセントがあるのを発見した。すぐにノートパソコンをつなげ、スマホとWiMAXルーターを接続した。1時間ほどノートパソコンを使うと、スマホの電池はほぼ満たされた。

9時だった。どこかで夕食をたべたいと思った。車を出し、飲食店が多くありそうなあたりをドライブした。土地勘がないので、パーキングがどこにあるのかよくわからなかった。

3階建てのパーキングに車を止めた。そこは「ひろめ市場」に隣接したパーキングだった。市場の中は、飲み屋しかないデパ地下みたいな雰囲気だった。
ひろめ市場

ひろめ市場を出て、地図アプリ片手に町をうろついた。屋台がたくさんあった。
その時間になると、やっているのは飲み屋ばかりだった。
高知の屋台

ひろめいちばも屋台も、大変に好ましく、ぜひ飲みたいところだったが、運転があるので飲むわけにはいかなかった。

屋台の一つ「松ちゃん」というラーメン屋で、醤油ラーメンと餃子を食べた。何の変哲もない普通の醤油ラーメンだった。たぶん、ビールを飲みながら食べるのが正しい食べ方なのだろう。
松ちゃんのラーメンと餃子

食べ終わったから車を出し、ナビを桂浜周辺にセットした。市街地から離れると、道がどんどん暗くなっていった。

11半に桂浜の入り口に着いた。アイドリング中の車が止まっていて、中でカップルが抱き合っていた。車を降りて、レジャーシートと、コンビニで買ったビールを手に、桂浜に向かった。

辺りは真っ暗で、どういけば海岸に下りられるのかわからなかった。そのうち、住宅街に入ってしまったので、車を止めた場所に戻った。
地図を確認し、公園内を行けば浜に下りられると見当をつけた。目が暗さに慣れつつあった。園内の階段を上って、波音に見当をつけて進むと、浜辺に下りる階段があった。

桂浜に上った月

満月にほど近い月が上っていた。レジャーシートを砂浜に敷き、腰を下ろしてビールを飲んだ。喉が渇いているはずだったのに、ペースはゆっくりだった。飲み終わり、空き缶を袋にまとめてそばに置き、シートに仰向けになった。月は明るいのだなと思った。