「あんちゃん」見る

夕べ、10時頃床についたため、今朝は暗いうちに起きた。時計を見ると2時55分だった。早過ぎるぜと思ったが、1時間ちょっと起きていた。4時を過ぎると外が明るくなってきた。寝直そうとしたが、目が冴えていた。ところが体を横向きにしたとたん、眠気が訪れた。普段横向きでは寝ないので、これは発見だと思った。

6時半に起きた。お粥を作り、野菜スープ、梅干しと一緒に食べた。

午前中、今週ノルマ作業のデータを処理する。加工が必要だったので明日に回すことになり、やることがなくなった。
先日のバースデーランチで早退しなかった分、今日早退できることになった。

昼過ぎ、雨が降りそうだった。実家に帰る予定があったが、自転車が駐輪場で雨ざらしになるのは嫌だったので、いったん自宅に帰った。
ウエルシアで、ブリトーみたいなやつとチキンナゲットを買い、昼食に食べた。

4時過ぎまで、洗濯をし、変なケーキを食べてコーヒーを飲み、昼寝をした。せっかくの休み時間をなんら生産的な行為に費やさなかった。ざまあみろ。

4時半に家を出た。高円寺へ。屋根付きの駐輪場に自転車を止めたが、ワイヤーロックのダイヤルキーがかからなくなってしまった。ワイヤーを駐輪スペースの土台にくぐらせた後、キーをさしかけた状態でダイヤルに手が触れ、動かしてしまったのが原因と思ったが、暗証番号はそんなことでは変わらないはずだ。
キーを外し、番号リセットを試してみたが、鍵をかけられない状態になっていた。結局、ダイヤルキーは諦め、オリンピックでワイヤーキーの安いのを買って来てそれをつけた。

6時半、実家へ。
母が鶏もも肉を焼いていた。強火で表面が焦げていたので、弱火にして蒸し焼きにし、焦げた部分をはがして盛り付けた。まずくはなかった。

父は、日曜に渡した本を読み、療法について納得したようだった。すぐにではなく、再来週以降からクリニックに行ければいいという。

母によると、ここ数日、父は元気そのものだという。「こんなんだったら手術できたんじゃないかしら」
しかし、本来の手術予定日だったのが先々週の水曜。それから今日まで14日間、父は普通に食事をし、テレビを見て、ものを考え、散歩したり話したりしている。もし手術を受けていたら、おそらく今日はまだ集中治療室にいて、点滴を受けているだろう。意識があったとしても寝たきりであることは間違いない。食事の再開後にリハビリが始まっただろうが、一人では立って歩けない状態から始まるはずだ。胃を取り、消化吸収能力が著しく損なわれているのに、その段階からどうやって体力を回復させられるというのか。先々週から今日までの14日間、何でもない普通の日々を過ごせたわけだが、同じような日々を過ごせるようになるまでどのくらいのリハビリが必要だったろう。もし、同じような日々の復活が無理なら、なぜ手術をする必要があるのか。
手術を受けないと臨海病院の医師に告げた結果、緩和治療をしているクリニックを他で探すようにと言われ、退院の運びとなった。臨海病院ではもうなにもしないと言われたらしい。臨海も緩和ケアーを扱っているとHPには載っているのだが、どういうことだろう。臨海で手術を断った患者は、臨海の緩和を受けられないというルールがあるのだろうか。
手術をしないと医師に告げたその日の朝、病室に巡回で訪れた医師が、「絶対90歳まで生かします」と言った、その言葉の根拠が聞きたい。内科視点なのか、外科医視点なのか、リハビリを含めてのことなのか、QOLを踏まえての発言なのか。あれでやる気になって手術していたらどうなっていたか。

実家PCをつけ、先週自宅PCで読み込めなかったDVDを読み込んでみた。いくつかのファイルはサルベージできた。

水谷豊主演ドラマ「あんちゃん」のDVDを見た。
狭い温泉町を舞台にしたホームドラマで、伊藤蘭が水谷豊の妹役で出演している。二人には血のつながりはなく、妹は兄に恋心に近い感情を抱いているという設定。
放送当時、リアルタイムで見ていたのだが、この頃の伊藤蘭を可愛いとか綺麗だとか特に思った記憶はない。もちろん可愛いし綺麗なのだが、垢抜けてはおらず、まるで素人の可愛い女の子みたいに演じている。
翌年の「事件記者チャボ」の伊藤蘭は、化粧を濃いめにして、シングルマザーを演じている。ちょっとケバかった。こちらの記憶は曖昧である。
母親役で淡島千景が出ている。当時58歳。今の伊藤蘭より6つも若い。その6つが埋まる6年後の1989年に水谷豊と伊藤蘭は婚約し、淡島千景は共演者としてワイドショーにコメントしている。
他の出演者は、三浦洋一、ピーター、藤真利子、寺田農、村田英雄、蜷川有紀など。三浦洋一は、おそらく初期つかこうへい事務所の舞台でやっていた演技に近いスタイルでやっている。「熱海殺人事件」の部長をこういう声や動きでやっていたのだと想像すればいい。
ピーターは喫茶店のマスター役で、演技がとっても自然。三年後、黒澤明の「蘭」、もとい、「乱」に出た時より、数段上等な芝居をしている。
このドラマの面白さは、コミュニティの魅力である。漫画「湯けむりスナイパー」の面白さに通ずる。田舎の狭い人間関係は、放送された1982年時点でも、若者にとって忌避されるものだったが、それから40年近く経った今に生きる者として思うのは、そういうコミュニティは望んでも得られないものだということだ。
蜷川有紀は温泉芸者を演じている。色っぽい。
水谷豊は、ほめるのが恐れ多いほど素晴らしい。特に弟・文太との格闘シーンが、さまざまな工夫がしてあって実にいい。
伊藤蘭は等身大の女の子そのもの。あんちゃんに傘を持っていってあげる場面で、可愛い方の長靴を選び、それを履いてステップを踏み、ニコッとする芝居は、かわいさの破壊力が抜群だった。青少年に見せたらまずい。恋心注意報発令だ。
村田英雄は、巻き舌口調で、舞台となっている田舎町とそぐわないが、「気」と「呼吸」と「胆力」のみで芝居していて、それはそれでありだなあと思った。
DVDは、Vol.1 とVol.2を持っていたのだが、全巻見ないとダメだな。そして「事件記者チャボ」も見ないと。