教師いじめ事件の映像が公開された。
事態の解明に使われるのはよしてして、世間に公開することが誰得かというと、オレ得だ。
ゴシップ大好き人間のオレは、はらわたを煮え繰り返させ、いじめていた教師どもの本名公開、資格剥奪、逮捕、実刑を求めて、twitterやFacebookに書き込むのだ。
そして「怒ったぞぷんぷんマーク」のいいねをもらって気持ちよくなるのだ。
そうそう、芸能事務所社長が部下の顔をしゃぶしゃぶ鍋につけた事件の時も、オレはぷんぷんしまくって、動画を拡散しまくったものだ。あったな、そんな事件。10年くらい前だったかな?
あおり運転事件というのもあった。こちらは記憶に新しいが、それでも、5年くらい前のことだったよね? さすがに細部は覚えていないなあ。
でも今回は大丈夫。だってひどい事件だから、忘れないに決まっている。この事件をきっかけにして、教師の現場におけるパワハラやいじめ問題が明るみになっていけばいいと思う。そういう思いを込めて、動画を拡散して、この教師たちは教師失格だ系の意見を書き込んでいこうと思う。
……まあ、忘れるよな、人は。
あおり運転の時は、逮捕されて一週間後には、なんか、世間の「怒りの旬」が終わってる感があった。
テレビで、口角泡を飛ばして、こういう事件に対して怒りを表明する出演者たちは、一時的な需要の高まりと急速な飽きがあることを熟知した、賢い人達なのだろう。
その需要の高まりの元になる力が、映画「ジョーカー」でアーサーに最初の引き金を引かせた。
電車でアーサーをぼこぼこにする勝ち組WASPは、同僚に激辛カレーを食わせた教師たちと同じだ。
あの場面が怖いのは、復讐までの「間」がなく、観客が最高にムカついた瞬間にアーサーに引き金を引かせていることだ。観客は、むかついていればいるほど、復讐の快楽を感じたはずだ。それは理性が機能するより早く、脳にアドレナリンを分泌させる。
呆然とするのは少し経ってからだ。
「今、オレ、殺せ! って思ってなかった?」
だから、教師ビデオが公開されることは、「ジョーカー」のラストみたいな事態が現実に起きることを望む者には歓迎すべきことだ。炎上が、物理的に文字通りのものになる。
そこまで考えての公開なのだから、やはりマスコミは頭がいい人たちの集まりなのだ。まるでアーサーをボコった三人組のように。
朝7時起き。昨日の鍋の残りでサッポロ一番の味噌を茹でて食べた。鍋のスープには塩気がなく、量が多かったため、できたラーメンのスープは塩分控えめになった。
午前中、昨年もやったデータ事前準備作業をする。昼前に先週出力したシートの出し直しが発生。簡単に言ってくれるぜと思ったが、ツールを直しておいたので、ボタンを押し、昼休みに実行させた。
昼、「フォルクス」でランチ。葉物サラダバー、スープ、メイン、パン、固形物サラダバーの順に食べた。この食べ方だと腹八分目よりやや多いくらいの、絶妙な満腹感で食べ終わる。食おうと思えばもっと食えるが、きちんと満足している感覚。
今日は、パンを取りに行ったタイミングでクロワッサンが焼き上がったので、焼きたてクロワッサンの、口の中に入れると泡雪のように溶けるサクサク感を味わえたのがラッキーだった。ここのランチはライス頼んじゃダメだよな。パンに集中すべきだよな。なぜかちょっと怒ってる。
午後、新ツールのフォーム作り。こいつができれば、あとは出力のフォームと、レコード追加系のフォームを作ればいい。今月中に仕上げたい。
6時、自転車で四谷三丁目へ。営団地下鉄で西葛西へ。7時過ぎ実家帰宅。
夕食に秋刀魚食べる。今年の初さんま。不漁が叫ばれているが、ようやく一尾150円くらいで買えるようになってきた。
父に初回の標準治療のことを聞く。副作用などはなかったらしい。3泊する予定だった入院も2泊で終わった。次回は今月末の予定。
母は補聴器の調整をしたため、会話がよく聞こえるようになっていた。難聴の検査、一度やった方がいいと勧める。病院の予約を頼まれたが、補聴器調整は来月にもあるらしいので、それが終わってからがいいかもしれない。急ぎでもないし。
走りに行かず、ゴロゴロしていた。自分の部屋に椅子がないため、ゴロゴロせざるを得ない。ベランダ側にあるパソコンデスクを、次帰った時に移動しようと思う。
ハイボールを飲み、ピアノを少し弾いた。実家の電子ピアノはスイッチが壊れ、鍵盤もガタがきている。捨ててもいいんじゃないかなあと思った。
今日、帰る時、日本橋駅の階段で人が倒れていた。急病人かもしれなかった。
電車の中で昏倒したことが一度だけある。22歳の時だ。
教育実習で荒川区の小学校に行くことになり、挨拶するために向かった朝の電車で昏倒した。
その日は寝不足だったのか、それとも二日酔いだったのか忘れたが、朝から頭がフラフラしていた。つり革に捕まり、頭をスッキリさせようと思い、深い腹式呼吸を何度かやった。丹田に息を送り込んでいる時、意識が途切れ、気がついたら電車の天井を見ていた。目の前に座っていたサラリーマンに助け起こされ、席を譲ってもらったのが、茅場町に着く直前だった。席に座り「ありがとうござ」とお礼を言いかけた2秒後にドアが開いたので電車を降りた。
あの時は、やっぱり疲れていたのかなあ。
一人暮らしを始めた直後で、夜9時から朝4時までのバイトに、月12日くらい入っていた。卒論のテーマ決めに煮詰まっていた。教育実習の担当教授の面談を忘れてすっぽかし、ひどく怒られた。舞台のオーディションを受けた。後輩の芝居の稽古に出た。デートしたいしたい病にも罹っていた。
時間の使い方が無茶苦茶だった。若気の至りではなく、単に下手だった。
「あっ、オレ、時間の使い方、下手だ」と気がついたのは19歳の時だったが、22歳の時は「あっ、オレ、時間の使い方、まだ下手だ」だった。
今日の夜も、時間を下手に使った。そういえば、一人暮らしをしたばかりの頃に住んでいた部屋は、何もないというところが、実家の自分の部屋に似ている。椅子がないと、長時間何かするのが辛い。そうそう。そう思うところも似ている。