足柄峠を走ってきた

8時前に起きる。朝飯に、ご飯、納豆、ソーセージ、味噌汁。

今日は峠走をするつもりだったが、昨日の段階で、足柄峠にするかヤビツ峠にするか迷っていた。

9時40分に家を出た。
永福町で路線案内をネットで調べた。9時55分に出る電車に乗れば、11時台後半に山北駅に着く。一方、ヤビツ峠は11時台の前半に秦野駅に着く。
同じ11時台なら、初めてのとこに行くかと、この時点で足柄行きを決めた。

車中、『ミレニアム6 死すべき女』下巻を読む。ミカエルが、案の定敵に捕まって拷問を受け、リスベットが助けに行くという展開。最初の『ミレニアム』もそのパターンだったっけ? いよいよシリーズも終わるのかなあと思った。

新松田で御殿場線に乗り換え、二駅隣の山北駅で降りた。

北口の出口に出てから、歩道橋で南口へ。そこにある町の施設にコインロッカーがあり、荷物を預けられる。施設の3階はなんと、さくらの湯という温泉になっている。ランナーにとっては至れり尽くせりだ。

コインロッカーに荷物を入れ、とりあえずアップがてらゆっくりと走り始めた。

酒匂川の橋を渡り、T字路に突き当たるまでは、上り坂といっても緩いのが続く。そして、T字の突き当たりを右に曲がると、いらっしゃいとばかりに、きつめの坂がお待ちかねだ。

事前にGoogleストリートビューで調べておいたので、傾斜を見てもビビらなかった。それに、先日陣馬海道を走った時と比べて、何だかんだで上り坂が続いていたので、最後にウルトラ急坂が砦のように待ち構えていることもないだろうと思った。

やがて、足柄峠まであと3.5キロのところまできた。

陣馬海道を和田峠まで上る時は、あと3.5キロになってから、傾斜がいきなり急になった。その時に比べると、ここまで地道に「上って」きたなあという実感があったので、陣馬よりはキツくあるまいと、ま、遠慮がちにタカをくくっていた。

しかし、さすがに峠が近づいてくるとヘアピンカーブの連続となり、傾斜も10パーセントを余裕で超えてきた。曲がりのインコースを走る時などは、階段よりもきつい傾斜になったりした。

素朴なお地蔵様を過ぎ、駐車している車が見られるようになると、上りのゴール「足柄万葉公園」だった。上り坂はここでおしまいだった。

足を伸ばして、静岡の国境を越え、足柄峠の先の、足柄城跡公園に行ってみた。

視界を遮るものが何もない状態で、正面から富士山を見ることができた。

視線を左90度に移すと、金時山が見えた。左奥が箱根方面か。

眺望に満足したところで、来た道を下りることにした。

帰りは、前傾姿勢をとるように心がけ、フォームに気をつけながら走った。今日は前腿よりも、尻の筋肉が先に張ってきた。
T字路のところまで戻ると、ケツが痙攣し、タモリ倶楽部OP状態になっていた。バス亭の石段に座り、片足を膝にのせて前傾し、ケツ筋ストレッチをした。

ケツ筋の張りに悩まされながら、ゆっくりしたペースで走り、最後の上り坂を走り、トンネルを抜け、山北駅に到着。
てっぺんで写真を撮って休憩したり、ケツ筋ストレッチをしたりという時間を入れて、往復時間は3時間20分とちょっとだった。距離は25キロほどか。

駅近くにこんなのがあった。

「ねーねー、これってアタシたちのことー?」とか言いながら、小馬鹿にしたような笑みを浮かべ、ガムをくちゃくちゃ噛みながらホワイトボードを足蹴にする、若干12才の少女(手首タトゥー入り)がいそうな町には見えないが、なぜか「良い子」の文字に心を揺さぶられた。おじいちゃんが書いたのかなあ。そして案外、その、若干12才タトゥー入り少女は、パパママ大っ嫌いだけど、おじいちゃんだけは小さい頃から好きだったりするんだよな。

山北駅には、SLがあった。SLも、おじいちゃんがいっしょに写ると、なんか、いいんだよな。

妄想しつつ、さくらの湯へ。

温泉には、さっとつかるだけにした。走ってヘロヘロだったので、湯あたりしそうだったからだ。

山北駅の北口には、昭和レトロ建築の建物があった。んん? こういう建物があるということは、この駅、昔は栄えていたんじゃないか? 右の建物の、角がアールになって入り口がある感じが、なんとも素敵だ。

4時45分の御殿場線に乗る。

小田急に乗り換え、伊勢原で下りる。
デカ盛りで有名な店『麻釉』へ。

ジャンボロースカツ定食を頼んだ。

確かにでかかった。普通のとんかつの二倍ほどの面積は確実にあった。
ごはんは普通盛りにした。それでも1合あるという。
朝飯を食い、その後、足柄峠で富士山を見ながらスニッカーズを食べただけだったので、ロースカツの脂身が、涙が出るほど旨かった。実際、出た。
この店は他にも色々メニューがあり、ランチタイムにくるとCPが跳ね上がるらしい。
この店で食べるカロリー消費資格を得るため、というのは、ヤビツ峠や足柄峠を走る強烈な動機づけになるな。次はカツ重が食べたい。焼肉重も食べたい。

店を出ると、もう6時を過ぎていた。
快速急行で下北沢に向かった。

車中、『ミレニアム6 死すべき女』下巻読了。
ミステリーとしての面白さよりも、シリーズを完結させることを、執筆の動機にしたのではないかと思った。ミステリー部分は意外性もなく、普通のできだった。
リスベットが過去を清算してしまったので、シリーズはこれで終わったと考えていい。ただ、もしも新シリーズを書くのだとしたら、主人公を変えて、ミカエルやリスベットをゲスト的に登場させるといいのではないかと思った。

8時過ぎ帰宅。
家を出たのが朝の9時40分で、帰宅がその時間ということは、出かけて走って風呂入ってごはん食べて帰るのに、11時間かかったということになる。
やはり、足柄峠は遠いなと思った。ヤビツ峠も近いわけではないが、小田急直通なので乗り換えのロスはない。
走りやすさからいっても、ヤビツ峠は行程に平地がほとんどないため、まんべんなく坂道トレーニングができる印象がある。山道に入ってからの傾斜も、陣馬街道や足柄のラストほどきつくはなかった。
次はまたヤビツ峠かな。そして麻釉かな。カツ重かな。